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『 善くん、おかえりなさい 』
少し痛む脚を引き摺りながら 玄関へ向かうと、そこには、任務のせいで傷だらけになった善くんが立っていた。
善逸 「 いい子だね、Aちゃんは 」
『 き、傷… 』
善逸「 俺の傷より、Aちゃんの傷の方が痛そうだよ?? 」
…あなたが付けた傷ですけどね
そう心の中で突っ込むけど、口には出さない。
それは、善くんを怒らせたら大変だから、。
『 私は、大丈夫…、だから、手当 しなきゃ、 』
善くん「 へえ…、大丈夫、なんだね?」
『 あっ…… 』
私が反論するよりも先に善くんが 私を突き飛ばす。
'' 大丈夫 '' 。 その単語がダメだったんだ、
いつまで経っても、私は善くんの機嫌を取ることすら出来ない駄目な女。
善くん 「 大丈夫、なんでしょ? 」
そう言って、善くんは私に馬乗りをする。
私、いつか絶対善くんに殺される。
あー、痛い、
全身が痛い、心が痛い。
善逸「 ねえ 」
私が抵抗するよりも先に、善くんの綺麗な手が 私の首に伸びる。
善逸 「 …返事してよ 悪い子だね 」
そして、ゆっくり ゆっくり、じわじわと その手に力が入る。
『 ぅ、っ… 』
苦しい。
でも、大丈夫。
私は、善くんに愛されている。
だから、大丈夫 。
…うん、
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作者名:雛丸 | 作成日時:2019年11月3日 15時