ロリポップ・ガール (ページ19)

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19:HiGH&LOW THE WORST X② ページ19

勇征「 ……え？なんか俺怖がられてる？」

慧人「だから言ったじゃないですかぁ、ひなは絶対びびってますよって！」

勇征「うそお、だってあれは役じゃん？今はただの八木勇征じゃん？ねえ？ひな、怖くないよねー？」

「うう、ううん！」

勇征「いや、動揺しまくり」

嘘へたかよ、と笑ってる勇征と、直立で固まるひな。
そんなひなの顔を横から覗き込む俺と慧人。

なんだ、この光景は。

やっぱりビビってるひなに根気強く話しかける勇征を横目に、慧人とふたりで今日のイベントの感想を話し込んでいると、

勇征「 …あ、なっちゃん！」

こっちこっちーと手招きをする勇征。

視線の先を見ると、共演者との写真撮影を終えたのか、なっちゃんがキョロキョロと誰かを探していた。

堀夏「おっすー、2人とも来てくれたんすね」

大樹「この後グループで仕事あるし、時間あったからさ！」

堀夏「おー、ありがとうございます」

ひなもありがとね？と視線を合わせるように膝を曲げながら、ぽんぽんと頭を撫でるなっちゃん。

だけどハイローの余韻ひたひたのひなちゃんは、やっぱりビビりまくっていて、口をむってしながら俺の背中に隠れてきた。

堀夏「はは、やっぱ怖いかぁ、この格好」

勇征「 …え、なっちゃん受け入れるの早くね？なんでそんな順応してんの」

堀夏「いやだってさ、俺が外周回ってるとき手振ったんだけど、顔超引き攣ってたから」

慧人「僕と勇征くん反対側でしたもんね、うわー見たかったな」

俺と、背中に隠れるひなを囲みながら談笑するいかつい男３人組。

まるでヤンキーから妹を守るカツアゲされてる兄、みたいな図。

なんなんだ、この光景は(2回目)。

相変わらずのひなちゃんは、俺の洋服の裾をぎゅっと握りながら、時折３人の会話にふふっと笑いつつ、引っ込んで、を繰り返してる。

うん、可愛いっす。役得。

そんなこんなでちょっとずつひなが慣れ始めたころ、ちらっと時計をみた慧ちゃんの、え、時間やばいかも！の声をきっかけに、慌てて着替えに行った３人。

大樹「 …さて、俺らも行きますか。」

「 …3人ともかっこよかったね、……だいぶ顔怖かったけど」

なんだ、ちゃんと見てたんじゃん。

大樹「ははっ、そだね。じゃああとで、その感想直接伝えてあげよ」

「 ………がんばるます」

大樹「いや、言えてないし」