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「あーあ。こんなことなら今日はさっちゃんと一緒に帰ればよかったな…。」
ポツンと、みんなが帰った後の静かな教室で、自分の席に座り呟く。
まだ17時にもなっていないのに、最近は日が暮れるのが早くなって、夕焼けが眩しい。
掃除係が消し忘れた黒板に残るのは、土方先生が書いた数式。
「意外と字、綺麗だな。」
机の上には開きっぱなしの教科書。
昨日の夜、家で勉強して書き込んだ答えは、問いの途中で終わってる。
「…土方のバーカ。
本当は今日、先生に教えてもらおうと思ってたのに…。」
私一人じゃ最後まで解けないよ。
「ちゃんといい子にするから教えてよ…。」
なんて、独り言言ってても、答えは浮かばないか。
時間も勿体無いし、今日は諦めて帰ろうかな。
重い腰を上げて、机の椅子を引いた、その時だった。
「いつもそんくれえ素直だったら、ちったぁ可愛げあるんだけどな。」
え???
聞き覚えのある声。
ビックリして振り向けば、教室の後ろで腕を組んで優しく笑ってる
「土方先生!」
「悪りぃな、遅くなった。」
な…なんで…ってゆうか!
「いつからいたんですか?!」
「さぁ?土方のバーカって言うおまえの聞き捨てならねぇセリフはしっかり聞いた。」
結構前からじゃん!
「盗み聞きとかありえないんですけど!」
「教師に向かって呼び捨て&バカ呼ばわりの方がありえねぇ。」
そう言いながら、ポン、ともっていたノートで軽く私の頭を小突いて、土方先生が笑う。
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ばりお。 - ぎゃぁぁあ!!!!土方さんカッコよすぎる。私得だ…( ´∀`) (2019年8月1日 22時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイ | 作成日時:2019年3月20日 15時