6 無愛想 ページ6
「さっきの方がお隣さんですよ〜藤山蘭さんだったかな？」
不動産会社へ戻る車の中でそう言われる、「ちょーっとだけ無表情なんですけど、全然悪い人じゃないですし、他の方もずっと住んでる方ばかりなので、男性が多いですけど安心していただいて大丈夫かと思われます！みなさん仲が宜しいようですし！」と付け加えていた。
みんな仲がいい？よく漫画でお隣さんに作りすぎた料理をお裾分けなんて見るけど、まさか現実にそんな人たちがいるのかな？それとも同じお仕事先とか？色々考えるといつの間にか不動産会社に戻ってきたので、書類にひたすら個人情報を記入していき、ガスや水道電気などの設備もすぐ使えるような手続きを全て終えて家の鍵を受け取ってお礼を言っては、店を出た。
これからどうしようかな〜、なんて考えると一切家の家具が無いことに気づいたので家の近くにあるお店を回って最低限の日用品などを購入した。就職してから貯めていた貯金がこんな風に使うなんて過去の自分も想像していなかっただろう、そんなことを思いながら大きめの家具は郵送でお願いして、持って帰れるものはなるべく手で持って帰った。
「冷蔵庫と洗濯機は付いてたから、まあなんとかなるでしょ！」
そう思い大荷物を抱えながら、歩いていた。
ビリッ
「え？」
もう少しで家に着くというところで、大量に購入して両手に持っていた紙袋の片方の底が破れてしまい、バラバラと地面に荷物が落ちていった。
「うわあー…ついてない…」
小言で独り言をいいながらものを拾っていると、前方から一人の男性がスタスタと歩いてくる。
藤山さんだ。
藤山さんは私がしゃがんでものを拾っているのを気づかないふりをして、スタスタと通り過ぎていき、気まずいなあなんて思っていたら、スタスタ歩いていた足をピタッととめて数秒静止していた、
(何か家に忘れ物したのかな？)
彼の背中を少しの間見つめていたら、今度はぐるっと振り返ってこっちのほうに戻っては私の目の前で立ち止まって
「…なにしてるんすか」
目も見ずにそう声を掛けてくると零れ落ちて散らばった物を一個ずつ拾い上げていく。
「え…？あ、ありがとうございます…。」
不愛想に見えるけど全然悪い人じゃない、
こういうことか、と思った。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
