47 微熱２ ページ47
通りでいつもよりわがままなはずだ、普段は怖いゲームや映画を見てもなんだかんだ見えを張って終わった頃にはケロっとしているように見せていた蘭が、自分以外の四人にわかりやすく駄々をこねるのは物珍しかった。ハッチさんは体温計を渡して、ピピピと音がなるころには丁度微熱の蘭とが少し顔を赤くしてぼーっと布団にくるまっていた。
「…ちょっとコンビニでも行ってこようかな、風邪薬は流石には蘭たんの家にあると思うけど…さっき皆で置いてあった水も飲み干したし、その調子だと明日もしんどうそうだ」
「たしかに…、蘭〜大丈夫…？じゃないよねえ…」
「…だいじょぶ…」
いつに増して無表情な蘭は話すのも少ししんどそうな顔でぼそぼそと話していたが、ハッチさんは心配そうに蘭を気遣いながらも一人でコンビニへ向かった。私も付き添うべきか悩んだが蘭を一人にできるわけもなく、家に留まる。
「蘭、辛いでしょ？ベッド横になって？帰らないから！」
「ん…。…薬が、引き出しの中に入ってる…」
「わかったよ〜、ホラ毛布もかけてね」
もごもごしながら布団に埋もれていく蘭がいつもに増して可愛くて、言われるがままに薬を取り出しては蘭に手渡そうとすると、少し目を離した間にすーーと寝息を立てて寝ていた、薬を飲ませようとおもったが起こすのも可哀想になり、そのままハッチさんの帰りを待つことにした。幸いなことに明日は祝日で仕事がなかったため明日も蘭のそばにいれるだろう、スマホを片手にSNSでも流し見していた。
「んー…A……」
私の名前を呼んだかと思い振り返るが、そこに起きている蘭の様子はなく、寝言で私の名前をつぶやいてはうっとうしいかもしれないが寝ている顔にちょっかいをかけるように指で頬をつんつんとつっついた。
「…A……」
「私の夢でも見てますかー…？」
「………………すき…。」
「…え？」
深夜の静かな部屋にぽつりと呟いた、なんの核心もないただの寝言が、私は聞き逃すこともできず間抜けな声を出した。
15分後に帰宅したハッチさんは蘭に買ってきた冷えピタを貼って翌日用のおかゆを冷蔵庫へしまっては、意識して赤面している私に対して、風邪が移ったんじゃないかと心配していた。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
