33 映画 ページ33
「蘭〜、一緒に映画見よう〜…？」
「わ、Aさんこんばんは…、何してるんですか？蘭たんの家の前で…」
「あ、しゅうさん！こんばんは！」
以前、蘭と一緒に家で映画を見る約束をしたものの、いざ当日になって蘭の家に行くと蘭は家に籠って出てこなくなってしまった。折角借りてきたDVDたちを手に持ちながらインターホン越しに蘭と会話すると、隣人であるしゅうさんが帰宅したところ、私に声をかけてくれたので事情をかくかくしかじかと説明する。
「ちなみに何見るんですか？俺結構映画好きです。」
「じゃあしゅうさんも一緒に見ますか？何本か借りてきたんですけど…！」
「…あ。こ、これは…蘭たんは見ないです…ね…」
「え？」
借りたきたDVDをしゅうさんに見せていくと彼は表情を少し曇らせた苦笑いへ変えていった、そこで私は自分が選んできた映画のジャンルの偏りに気づく。
「蘭、もしかして怖いの嫌い？」
「…」
「わ〜〜…ごめん…私の好きなのでいいよっていうから、見たかったやつ借りてきちゃった…全部怖いのだ…」
「…」
インターホン越しに会話するが、謝る私に対して責めるようなことも言わず頑なに黙り込む蘭の表情がなんとなく想像できた、二人で夜通し映画を見て週末を楽しむ計画を立てていたのに、まさか怖いのが苦手だなんて想定外で申し訳なくなる。
「あー…じゃあ今日は俺と一緒に見ます…か？」
「…え？」
「ｲﾔ、折角借りてきたんですし…、俺、怖いの別に見れますよ」
しゅうさんが私に気を遣わせているせいか、一緒に見ることを提案してくれたが元はと言えば蘭との約束なわけで…だけど蘭は怖いのが見れない、どうしたものかと頭を悩ませていると、勢いよく目の前のドアが開いた。
「さ、三人で見よう！！！」
「わあ！」
ドアから出てきた蘭に驚くと彼は不安そうな顔と少しの汗を流しながら、三人で見ることを提案してくる。彼が言うに人数が多ければ多いほど怖いものはなくなるらしい。最終的に蘭の部屋にお邪魔して三人で映画を見ることになった。
「やめろって！！！なんなんだよこれ！！！電気つけろよ！！！！」
「うわ〜〜あははは！！ははは！」
「ちょっと二人ともうるさいよ〜〜！聞こえないじゃんか！」
想像の倍以上に怖がりな蘭とゲラのしゅうさんのお陰で、ホラー映画が全くホラーに感じない週末になった。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
