31 家電屋さん ページ31
「アイロンってないのか…」
洗濯物を取り込んで、シワシワのシャツを見ては私はアイロンが今の家にないことに気づいた。前住んでいた家では同棲していた元彼のワイシャツをメインにアイロンを使っていたし、わざわざ持ってくる余地もなかったため、これを機に、アイロンを買おうと家から徒歩で行ける範囲の家電屋さんへ向かうと、見覚えのある後ろ姿が目に止まった。
「すぎるさんだ！」
「おわ！Aちゃんやん！びっくりしたわぁ！」
家電を見て回っていたすぎるさんにわざと驚かすように話しかけると、百点満点のリアクションが返ってきた。事情を説明しては、アイロンコーナーに向かうとすぎるさんも一緒についてきてくれたので二人で見て回った。そこまでこだわりも所持金もない私は、無難で王道かつ安めなアイロンを選ぶと、隣にいたすぎるさんが私の代わりにアイロンの箱をすっと持ち上げてレジまで運び会計が済んだ後も持ったままでいてくれた。
「すぎるさんはなにか見たいものないんですか？」
「やー、俺は特にないなー。暇だから来ただけ！でも電気屋っておもろいよな〜！わくわくすんねん！冷蔵庫の中に偽物の食べ物入ってんのとかめっちゃおもろくない？？」
「あはは！なんですかそれ！」
「ええ！わからん？蘭たんたちはわかるゆーてたんやけど…！」
同じ建物の中に住んでいて一番最年長らしいすぎるさんが小学生のような感想を言ってることが面白くなって笑ってしまう、二人で談笑しては家に帰ろうとしていたころ、家電屋の入り口の前で小さな女の子が一人で小さく丸まって座っていた。それを見つけたすぎるさんが早足気味で駆け寄っては持ち前の明るさで声をかけた。
「お嬢ちゃん！どうしたん〜？一人か？」
「………うん…。ぱぱ、いなくなっちゃった…。」
「そうかあ…、寂しいなあ、でもすぐパパに会えるから、ちょっとついてきてくれへん？」
どうやら父親とはぐれてしまった女の子に目線を合わせて会話するすぎるさんは、すこしずつ涙目になる女の子の手を引いては小さめの滑り台や、ぬいぐるみが並んだキッズスペースに連れては三人でまとまって座った。
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lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
