1 別れ ページ1
今日も1日頑張ったなあと電車に揺られ、家に帰ってお気に入りの酎ハイを飲んで、大好きな布団の中で寝て、また明日仕事に向かう、、、
そんな日々がずっと続くのだと思っていた。
私には三年近く付き合っている恋人がいる、大学の時に出会ってサークルが一緒で、なかなかサークルの輪にも馴染めずに悩んでいたところを助けてくれた男性にわかりやすく一目惚れしてしまって、漫画のようだけれど相手も自分に好意を寄せていたのもあり、今まで付き合い続けている。小さな喧嘩はそりゃあしたことはあったけれど、三年も続いて大学を卒業したあとお互い無事に就職について、二人で貯めた貯金で同棲生活を送っていて、それがとても幸せだった。はずだったのに
「ただいま〜」
仕事終わり、本当は職場の友人たちと飲み会の予定があったが、少し体調が悪かったので、誘いを断って家に帰り玄関を見ると知らない女物のパンプスが並んでいて、すごく嫌な予感がした。
恐る恐る家に入っていくと、目を丸くて驚くような顔をした彼と、私とは違う顔や服の系統をした、彼の同僚か後輩かと思われる、着崩したスーツを身にまとっている女性が、私がいつも使っているお気に入りのガラステーブルでお酒やコンビニで買ったおつまみを広げて、きっと楽しい時間を過ごしていたのだろう。
「A…？きょ、今日は友達と飲み会じゃなかったっけ…」
「…ちょっと体調悪くって…というか…どなた様…？」
最悪だ。
彼は焦って事情を説明している、
「後輩なんだけど最近彼氏に振られたらしくて、慰めてて！」
「家が遠い子でさ！終電が無くなりそうだったんだ！」
「会社の同僚たちと飲んでたんだけど！俺の家が一番近いってなって…！」
その他にも必死にひたすら挽回の理由を考えているようだったけれど、ここ数ヶ月スマホを頻繁に確認していたのも、見覚えのない女物のピアスや香水の匂いが残っていたのも、私は知っていた。なんとなく覚悟はしていたけど、こんなにあっけなく終わりが来て、簡単に無くなってしまうものもあるんだ、彼が私の周りで声をあげても一切耳に入ってこなくて、私は家に置いてあった最低限の化粧品、通帳、印鑑、服をスーツケースに詰め込んで黙々と家を出る準備をした。
「Aっ！！ごめんって！ちょっと考え直そう！！！」
そんな情けないあなたを見たくなかったなあ
「じゃあね」
そう言って扉を閉じた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lllsaitoulll(プロフ) - かびさん» ありがとうございます！ペース遅めですがよけえば楽しんでいってください！ (2020年6月9日 1時) (
レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かび - 楽しませて貰ってます！更新待ってまーす！ (2020年6月8日 12時) (レス) id: a6577ee058 (このIDを非表示/違反報告)
lllsaitoulll(プロフ) - キアンさん» コメントありがとうございます(^O^)がんばります！ (2020年6月6日 1時) (レス) id: 9c4d7f9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
キアン(プロフ) - おわ〜展開が気になります！更新頑張ってください！ヾ(≧∀≦*)ﾉ〃 (2020年6月5日 7時) (レス) id: dc2584af8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：斉藤 | 作成日時：2020年6月2日 1時
