私の兄は片や警部、片や行方不明【名探偵コナン】

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『……』



昴「………」




沈黙が流れる。



何も話さないのは、別に苦手じゃない。




昴「無視ですか…笑」



『えっ、ごめんなさい！ なんか言いました？』



昴「あぁ、いえ……」




また呆れた顔。



またなんか、変なことしてますかね私…




『…ん？ 昴さんってタバコ吸われますか？』



昴「すみません 匂いましたか？」



『少し。嗅いだことある匂いだと思うんですよね…』




何処でだろう。



以外だな、この見た目で吸うのか…



あ、まずい。見た目で人を判断するなってコーメイ兄に怒られる。




昴「…私とは今日が初対面だと思うので、誰か他の方でしょう」



『そうですね、、』




大分前だと思うんだよなぁ。



うーんうーん、と頭を必死にひねる。



なんか、大事な気がするんだよね。




『あっ… 黒髪長髪男…！』



昴「！！」




ある男性の顔が浮かぶ。



ヒロ兄と連絡が取れなくなってから、しばらく経って……



あのときの。



あ、失礼な発言なのは分かってるけど、名前知らないし。




『えっ、こわ。あ』




昴さんを見ると、糸目だった目がとてつもなく開かれてる。



びっくりして口を滑らせちゃった。




『知り合いだったりしないですか？』




ただの勘。同じようなタバコを吸ってる人なんて５万と居るだろうし。




昴「…最近の知り合いには、そういった人は居ません。」



『ですよね。こんなの昔の記憶だし、よく分からないけど』




“最近の”



触れないでおこう。なんかあったんだろうな。



わかる。人間関係って難しいよね。




『あ、ここで大丈夫です。もう分かります』



昴「家までお送りします…って言いたいですが、今日会ったばかりですしね。私もこの後、予定があるので…」



『はい。わざわざ、ありがとうございました』




昴さんがドアを閉め、私は車が走り去るのを見送ってから家に帰った。



スマホ開いたら、長野組からめっちゃ着信やらメッセージやらがあったけど、由衣ちゃん以外は無視でいいや。



由衣ちゃんには、




“無事到着！早速、友達も１人できたよ”




と、新居の写真付きで返しておいた。



すぐに、テンション高めの返信があった。



由衣ちゃん、歳上だよね？ その可愛さ分けて欲しい。

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