宿舎__JK ページ32
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「いいんですか、ヒョンのこと」
ラップラインはもう先に現場入りしていて、宿舎のリビングにいるのはボーカルラインだけ。テヒョンイヒョンはお見舞いに行って今はいない。
あえて名前はあげなかったが、それでも容易に伝わってジンヒョンは「仕方ないよ」とばかりに笑った。
ThetisのAが刺されたと聞いてからというもの、本当にテヒョンイヒョンは酷かった。
犯人に憤りを見せるわけでなくただただ自分を責め続けていた。
元々繊細な人だし、感情が顔に出やすいタイプだから苦しんでいるのは見て取れて、だけど僕たちにはどうしようもなくて。
だってヒョンとAちゃんは付き合うどころか連絡先すら知らないというし、あまつさえ会話をしたのだっていつかの歌番組の収録のときにテレビ局ですれ違ったときに、ヒョンがたった一言応援してると言っただけだという。
それなのに。
いいや、そうだからテヒョンイヒョンは苦しんでいるのだろう。関係値がゼロだから会いに行くことも許されない。
ThetisのTwitterで目を覚ましたと聞いたとき、ヒョンは文字通り膝から崩れ落ちて泣いた。「よかった、本当によかった」と。
それを知っているから。それを知っているから僕たちはヒョンが足繁く病院に通うのを止められない。
「忙しいのに少しでも時間を作ってお見舞いに行ってるじゃないですか。あれ続けると身体壊しますよ」
「倒れても病院で倒れたならすぐに治療してもらえるな」
ブラックジョークのつもりなのか平然と言いのけたジンヒョンを思わず睨めばアヒャヒャと笑う。
「でも実際、Aちゃんのお見舞い行ってからテヒョン、憑き物が落ちたみたいな顔してたしね」
もし目撃されても波風立たないようにメンバー全員揃って病院を訪ねたあと、ヒョンは「俺の方が救われちゃった」と少しスッキリした顔で言っていたのを思い出す。
「ヒョンが惚れちゃったらって話をしてるんですよ」
「え、ジョングギそんな話してたの？」
今まで我関せずにスマホを弄っていたジミニヒョンが顔をあげて不思議そうに言う。
「まあ確かに。テヒョナのタイプだよね、Aちゃん」
「そういうことを言ってるんじゃないです！」
ヒョンの恋愛に首を突っ込むつもりはない。仕事柄祝福される恋じゃないのはお互い承知の上だ。だけど。あんなことがあったから。
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とりむねにく(プロフ) - すごくすごく好きです、陰ながら応援しています！ (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 69a1b6ff8d (このIDを非表示/違反報告)
lu(プロフ) - ゆっこさん» コメントありがとございます！よろしければ最後までお付き合いください！ (2021年7月10日 11時) (レス) id: 02c879ed67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！続き楽しみにしています！ (2021年7月8日 0時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
lu(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます！嬉しいです、完結まで書こうと思うのでお付き合い下さい (2021年7月7日 18時) (レス) id: 02c879ed67 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - とっても好きな雰囲気の作品に出会えました！！ありがとうございます！続き楽しみにしてます！ (2021年7月6日 12時) (レス) id: 562e9c2773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：lu | 作成日時：2021年7月4日 3時
