ピーナツバター (ページ9)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:29,596 hit

フラッシュ　バックkenshiro.k ページ9

一般人×芸人
-----------------

kenshiro side

水「あ、今日雨やん。」

「雨やねぇ…」

こんな雨の日は
３年前のあの日のことを思い出す

.
.

『賢ちゃんはさ、私がしたいことなら
なんでもさせてくれるよね。』

「うん…？」

『優しいよね』

「…そう？」

『うん。…優しすぎるくらいだよ。』

彼女はいつも僕を「優しい」と言う
それが、彼女からのSOSということに
気づいていたけど見ないふりをした

３年前のあの雨の日

雨に濡れた君が僕の家に来て

『もう…、賢ちゃんとは居れない。
ずっと不安なの。一緒にいても。
…優しさが、寂しい…』

引き留めなければ、終わりと分かっていながら
ありのままの自分に自信がなかった僕は
何もできずに、

そのまま君を手放した

なぁ、A。
今の僕ならもっと上手にAと向き合えるんよ

今の僕なら、泣いてるAを抱きしめるのに

手放して、気が付いた
ありふれて思えたあの日々が
どれだけ輝いていたものだったか

.
.

水「…賢志郎？」

「あぁ、すまんすまん。」

見上げた空は光が差し込んでいた

.

もう、
僕たちは
別の道を
歩んでいく