【rtrt】不安症の彼 (ページ21)

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２１。ページ21

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「Aちゃんさ、さいきんキヨくんと仲良いよね」

「え？そうかな？」

心当たり、というよりもたしかに一緒にいる機会は以前より多いような。それに今日の今日に相談したことを思い出して少し動揺する。

レトくんはやっぱり、という顔をしてじわじわと私に寄ってきた。

「この前の残業の時も、一緒にいたって聞いたし」

「あー、あの日はたまたま…っ！」

注いでいたコーヒーが溢れていることに気が回らず、手にかかってしまった。

「大丈夫！？」

すぐに水道を捻り、私の手を引っ張る彼。ヒリヒリとした痛みはすぐに良くなった。

「ごめんね、大丈夫だよ」

私がそう言うと彼はしょぼくれた顔をして口をへの字にしてしまった。俺のせい…と小さく呟いて熱湯がかかった指を撫でている。

「私の不注意だから、レトくんが申し訳なさそうにしないで」

「…うん」

不満そうなのは、キヨくんの話を聞きそびれたからなのもあってか、私の顔色を伺っているようだった。

「キヨくんは差し入れしてくれただけだし、何も心配することないよ。」

「…ほんと？」

「ほんと。私がレトくんのこと好きなの、知ってるでしょ？」

「じゃあ絶対、捨てんといてな」

こういう甘える時だけ関西弁になるところ、本当にずるい。ゆっくり頷くと彼に手を引かれ抱きしめられる。

「あー…落ち着く。やっぱ好きー」

「ふふ。私も好きだよ」

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