【rtrt】不安症の彼 (ページ14)

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１４。ページ14

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「…っ、キヨくん…」

俯く私の顔を覗き込むように、目の前にしゃがみ込んでいるキヨくん。どーした？なんかあったの？といつもと違う優しい声色で尋ねられ、また涙が溢れた。

「わ、ちょ、泣くなって」

「ごめ、なさい…っ」

とにかく自分の気持ちを落ち着かせて、涙を拭いた。

「話なら、俺いつでも聞くから」

「…ありがとうございます」

呼吸を整えて、震える手を握りしめた。

「つーか普通、こういう時って彼氏が来るもんだよな…ごめん、俺出しゃばって…カッコわりー…」

そう呟いてから、今日はもう帰ったら？レトさん呼んでくるよ。と提案してくれた。

本当は今彼と顔を合わせるのも苦しいが、このまま帰るほうが後々苦しいなと考えに考えた結果、キヨくんの言葉に甘えることにした。

「わたしが泣いてたって、言わないでください」

「…うん。分かった」

彼は無理に話を聞き出そうとせず、無理すんなよ、と最後にポンと肩に手を置いてからすぐにお店に戻っていった。

彼の優しさに感謝しながら、レトくんが来ても動揺しないようにと意思を固める。少しだけ頭が痛い。

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