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「お疲れ様でした〜」
今日はスタッフだけの打ち合わせ。
最近マネジメントの仕事の方が多く、慣れない分疲労感が大きい。これから担当分の動画を編集して、それから動画を送って…考えただけで目眩がする。残っているのは明日投稿する分だけど、早く終わらせよう。
帰りが遅くなるとレトくんに心配されてしまうので、20時には上がろうと決めて編集に取り掛かる。
「コーヒー飲みたいな…」
廊下にある自販機まで行くと、キヨくんに差し入れしてもらった微糖の缶コーヒーが置いてある。甘くて嫌いだったけど、無性に飲みたくなって買ってしまった。
「Aさん、お疲れー」
自販機の前で突っ立っていると、後ろから声をかけられた。振り向くとコンビニの袋を手にかけたキヨくんがいた。
「お疲れ様です」
小さく会釈をすると私の手元を見て、あ！と声を上げるキヨくん。
「俺もそれ買ってきた」
袋を漁り、同じデザインのコーヒーを持ってはにかむような笑顔で笑っている。
「キヨくんがくれたの思い出して、買っちゃいました」
そう笑いながら言うと、彼は安心したような顔でよかったーと微笑む。何が良かったのかは分からないが、満足そうなので私も嬉しい。
「Aさんの笑顔見ると、癒されるわ」
これ、Aさんに差し入れ。と手にしていた袋ごと手渡しされる。今日は帰ってサッカーを見るからとキヨくんは足早に去っていった。
「…癒される、かあ」
デスクに戻ってコーヒーを一口飲む。やっぱり甘すぎてどうも苦手だ。でも心が温かくなる。不思議だけど、好きな味だった。
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年10月20日 7時
