【rtrt】不安症の彼 (ページ23)

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２３。ページ23

. キヨside .

「……よしっ、終わったー。風呂入ろ」

放送終わり、スマホに目をやると2度着信が入っていたことに気づく。

何度か連絡が来ていることには気付いていたが、後でいいやと無視していた。どうせレトさんのしょうもないLINEだろうと思っていたから。

「…え。Aさんだ」

突然のことに驚きながら、一度深呼吸をしてから電話をかけた。仕事のことなら電話なんてしないだろうし、なんだろう。

『もし、もし…っ』

「えっ、どうしたの？泣いてる？」

彼女は軽いパニックになっていた。電話越しでもわかる、涙を枯らした震える声。俺はすぐに家を飛び出して、大通りまで出た。タクシーを拾って居場所を聞き出す。

「Aさん？今どこか言える？」

『家、です』

「わかった、今行くから。待ってて」

事情は電話では聞き出せなかった。とにかく急いで彼女の家を目指す。両手が小さく震えていることに気付き、もう一度、深呼吸をした。

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