虹 (ページ6)

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第56話ページ6

夕飯を終え三人と解散したンダホとモトキは、ゆっくりと談笑しながら帰っていた。
動画のネタやゲームの話などに花を咲かせ、折角だからと少し遠回りをして夜の散歩。
セカンダリでも撮ろうかとンダホは端末のカメラを回す。
するとモトキに電話が掛かってきてシルクだと知りいつもの調子で出た。

ﾓﾄｷ「もしもーし。どうした？」

ｼﾙｸ「…お前ら今何処、」

ﾓﾄｷ「今ー？ンダホん家の近くの公園」

ｼﾙｸ「急いで中央病院来て」

ﾓﾄｷ「え？何で？」

ｼﾙｸ「A、が、」

ﾓﾄｷ「ん？」

ｼﾙｸ「Aが、事故に…、」

ある程度事情を聞いて｢わかった｣と通話を切った。
聞いたことの無いシルクの焦った声。
まだ動揺しているんだろう。

ﾝﾀﾞﾎ「モトキ？どうしたの？」

ﾓﾄｷ「ンダホ、落ち着いて聞いてね」

シルクから聞いた話をそのままンダホに話す。
Aが事故に遭い病院に運ばれ治療中。
今からメンバーを呼び集め病院に来いとのこと。

ﾝﾀﾞﾎ「う、そでしょ…」

ﾓﾄｷ「大丈夫だよきっと。皆で様子見に行こう」

ﾝﾀﾞﾎ「モトキ」

ﾓﾄｷ「ん？」

ﾝﾀﾞﾎ「手、震えてるよ」

ﾓﾄｷ「…平気、」

ﾝﾀﾞﾎ「俺、準備して車出すから連絡頼んで良い？」

ﾓﾄｷ「おっけ、前で待っとくね」

ンダホが一度帰宅し、一人になったのを確認して深く息を吐きしゃがみ込んだ。
言われた通り震える手を見詰め、震えを抑えるように強く拳を握った。

ﾓﾄｷ「…無事でありますように」