虹 (ページ44)

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第94話ページ44

一方の寝室、Aと従妹がひそひそと話す。

『俺ガチで演技するから笑うなよ』

「大丈夫、大丈夫」

『絶対笑うなよ』

「大丈夫だって」

寝室にある隠しカメラにカウントダウンをとり、態と大きく咳をする。
その演技に従妹も乗ってくれて迫真の演技を見せる。

『ゲホッ、ゲホッ』

リビングのモトキ達がAの咳の声に気付き始めたようで｢本当に大丈夫？｣と話していた。
すると寝室のドアが勢い良く開き、血相を変えた従妹が｢Aが血を吐いた｣とシルクに言った。

ｼﾙｸ「は？まじで？」

リビング側の仕掛け人も本気の演技を見せ、寝室に駆け込む。
その様子を見たンダホは心配そうにモトキと顔を合わせる。

ﾓﾄｷ「シルク、救急車呼ぶ？」

ﾝﾀﾞﾎ「ちゅんっ、」

二人が寝室に入ると、けろっとした顔で口元に血を垂らしながらこちらを見て寝転ぶAの姿があった。
シルクは隠しカメラを持って、ポカンと口を開ける二人の表情をバッチリ収めた。

ﾝﾀﾞﾎ「もー、良くないよそういうの！」

ﾓﾄｷ「おいー…」

ｼﾙｸ「ドッキリ大成功～！」

いぇーい、とハイタッチをする四人にやられたと膝を付く二人。
本気で心配し焦ったようで、ンダホの機嫌が少し悪くなった。

ﾝﾀﾞﾎ「片付けなさい！」

ﾓﾄｷ「付いたら中々取れないよそれ」

ｼﾙｸ「ンダホ本当に怒ってる、ごめんごめん」

ﾝﾀﾞﾎ「本気で心配した」

ｼﾙｸ「いとこ来たから何かやりたくてつい」

ﾝﾀﾞﾎ「もーっ」