第74話 ページ24
ﾓﾄｷ「過ぎた話だし、本人にも了承得てるので言うけど、ちゅんが先月頭まで入院してまして」
『うん』
後ろの方から「大丈夫ー！？」と聞こえてきて、それに便乗するように皆が心配したと声を上げた。
前列を見れば心配そうな顔をする人もちらほら。
本当にここまで心配してくれたのかと、目で見て改めて実感した。
『今はピンピンです、大丈夫です。ご心配お掛けしてすいません』
ﾓﾄｷ「ちゅんが大怪我しちゃったって話聞いて、俺らも心臓止まったってぐらいの状態で」
ﾝﾀﾞﾎ「マサイとシルクはその場に居たんだもんね？」
ｼﾙｸ「居た居た」
ﾓﾄｷ「入院中は撮影以外ずっとシルクがちゅんの病室に通ってて、時々泊まったりもして」
ﾝﾀﾞﾎ「病室に一人だと心細いからって言ってね」
｢ふぅ〜！｣とまた観客から煽られ徐々に赤くなる顔。
再び台本で顔を隠し、ダーマの後ろに隠れた。
ﾓﾄｷ「あの時シルクが落ち着いて対応してくれたり、何時もの調子でいてくれたから俺達は安心出来たんだよ」
ﾝﾀﾞﾎ「うん。あの時に関しては本当に心からシルクに感謝してる」
現場を目の当たりにして一番に動揺していた筈だ。
それでも抱える不安は見せずにずっとAの側にいて、メンバーの事も気にかけて、こんな立派なリーダーが他に何処にいるのか。
メンバー口々に｢ありがとう｣と言われる中、シルクはダーマの背後から出てきた。
ｼﾙｸ「俺もありがとうを言いたい」
話はまた逸れ始めているが関係ない。
真相は知らなくていいが、これだけは皆の前で言わせてくれとマイクを握り直した。
ｼﾙｸ「実はほんっっっとうに不安で、過去にもね、こういう経験があったから。このまま起きなかったらどうしようとか、いらん事ばっか考えてちゅんの顔見ながら寝てたんすけど」
『うん』
ｼﾙｸ「報告するまで何時もみたいに動画作ってくれたメンバーや仕事放って病院来てくれたメンバー、時間がある限りずっと一緒に居てくれたメンバーに感謝してます、それと一番は、ちゅん」
『うん？』
ｼﾙｸ「無事で居てくれてありがとう」
そう言って抱き締められ何が何だか戸惑うA。
シルクに続いてメンバー達も二人を巻き込んで抱き締め、会場には暖かい拍手と歓声が響いた。
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作者名：憐
| 作成日時：2018年5月6日 20時
