虹 (ページ21)

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第21話ページ21

心配な表情で三人の帰りを待つンダホ、マサイ、モトキ。
シルクの怒鳴り声のようなのが聞こえて数分、静かになったきり帰ってくる気配も無い。

ﾓﾄｷ「大丈夫かな」

ﾝﾀﾞﾎ「マサイは何か見えたんでしょ？」

ﾏｻｲ「女の人がちらっと…見間違いかもしれないけど」

一瞬の出来事でそれが確かなのかもあやふや。一番見えるシルクに話を聞く他ない。
そして、トンネルの中から三人の姿が見え、安堵の声を漏らす。
今回は金縛りにあったり意識を失うような事は無かったらしい。

ﾓﾄｷ「どうだった？」

ｼﾙｸ「ちゅんが何か聞いたんだと」

ﾏｻｲ「何？」

『うん…皆さ、ゴミ拾いしよっか』

「「「「「は？」」」」」

全員が目を丸くして驚く。泣き跡もあり幽霊と一悶着あったのかと思えばゴミ拾い。
袋を持ってまたトンネルに入って行こうとするAを全員で止める。

ｼﾙｸ「待て待て、何で？」

『あー、えーっと、あの中に居た人が言ってた』

話を聞けば、此処は何十年も前に事故があり、それ以来使用されなくなったトンネル。
入口と出口に桜の木があり、出口側は桜のトンネルになっていた有名な場所だった。
その桜に目移りした車が事故をし、後に車が突っ込む大惨事となった。
シルク達が見た女の人もその事故に巻き込まれた霊らしく、恋人が入口の桜の木からゴミの邪気に惑わされ彼女の元へ辿り着けずさ迷っていると言う。

『手助けしてあげようよ』

ｼﾙｸ「んー…ちゅんが言うならそうなんだろ。俺も行くわ」

ﾓﾄｷ「じゃあ俺も行こうか？」

ｼﾙｸ「よし。モトキとちゅんとで行ってくるけどお前ら待ってる？」

ﾏｻｲ「いや、ここら辺の拾うよ」

ﾝﾀﾞﾎ「気を付けてね」

ｼﾙｸ「うい」

それから、ある程度片付け車に戻った一行。
その後女性の幽霊は見なかったが、最初入口で見た桜の木の下の幽霊は居なかった。
恐らく彼が言っていた恋人なのだろう。
後部座席のAは泣き疲れたのか、集中して疲れたのか眠っている。
後日その動画をアップすると、コメント欄が荒れていた。

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ちゅん君すごい！

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心霊動画なのに心が暖かい

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最初の男はそういう意味か

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シルクに寄ってきてた女の子がちゅんの方行ったけど大丈夫だったんか？

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4:28

Aに異常はないそうだが後日心霊スポットに行ったメンバーでお祓いをしに行った。
やはり霊媒師さんの話ではAに女の子が憑いていたそう。