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「……して、どうじゃ?最近は」

『世間話か?』

「酒の肴には四方山話が王道じゃろう」

『いや、お前飲んでねぇだろ』


まぁまぁ、と笑う天狐は、私の猪口に酒を注ぐ。それを一口飲んで、私は話題を提示した。


『…椿は、お前から見てどうだ?組手は基本お前がやってるだろ』

「主が吾に押し付けたのじゃろ…」


ぶすくれた顔をする天狐から、私は目を逸らす。お前のが適任だし、私暇じゃねーし。私悪くねーし。


「椿の実力は術式無しで戦ったら一般人に毛が生えた程度の強さじゃ。術式有りで戦えば話は違うが…アレ(術式)を抑えられるかは分からんからのう」

『……あいつが術式使うのは封印された両面宿儺を一時的に解放するようなものだからな…』

「何じゃその不穏な表現は。あの呪いの王が解放じゃと?勘弁して欲しいものだな」


ケッ、と唾を吐く天狐に、「あ、コイツ宿儺に昔なんかされたんだな」と察する。祓う一歩寸前まで追い詰められたんだろうな、天狐は割と強い呪霊だし。喧嘩売られててもおかしくは無い。


「……ただ、椿は刀の扱いが上手い。体術は微妙じゃが、剣術は中々に筋がいい。あれは磨けば光るぞ」

『あぁ……椿は雑魚だが、身を守れるくらいには強くなって貰わなくちゃなぁ…老衰以外では死なせねーよ、絶対』

「お、酔いが回ってきたか?主は上戸なのに珍しいのう」

『うるせ。疲れた体によく沁みるんだよ、酒精は』


酒を煽りながら、2人で夜の森閑した空気に呑まれる。夜の虫の声が心地よく合唱をする。今日はよく眠れそうだ。

空を仰げば朧気に光る白い月が目に入る。白い光。それを見て、私はふと天狐への問いを零した。




『──── ″神様″ に、会ったことがあるか?』

「神様ァ??」



訳が分からん、と言いたげに天狐は私の言葉を反芻する。


「なんじゃ主、そういう宗教にでも騙されたか?」

『違ェよ』


私はガシガシと頭をかき、息をつく。


……あの神様は、本当に神様なのだろうか。そう考えた事は今まで何度もあった。というか、よく昔の私はアイツが神様だと鵜呑みにしたな、と呆れた。あのミラーボールが神様だという確証は無いのに。


『……魂を作り替える力を持った奴だ』

「ンな出鱈目な力を持った輩が居る訳ないじゃろう」


イカれたのか?と茶化す天狐を軽く睨む。イカれてねーわ。ごめん嘘。イカれてるわ、呪術師だもの。

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設定タグ:呪術廻戦 , 愛され(?) , 見切り発車   
作品ジャンル:ファンタジー
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うさちゃん(プロフ) - ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"好きです!だいすこ。続き楽しみに待ってます (3月27日 11時) (レス) @page42 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
ファナやん - おもしろいです!可能なら原作軸や懐玉編もみたいです! (9月10日 15時) (レス) id: 3812986166 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 面白すぎて何回も見返してます!更新再開してほしいです…頑張ってください!! (8月7日 14時) (レス) @page42 id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - コメント失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!呪術廻戦のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月24日 10時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
有栖 - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください。(*≧∀≦*) (2023年2月5日 15時) (レス) id: e77b6774d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蝋燭 | 作成日時:2021年10月1日 23時

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