【閑話】不死鳥さんちのある一日 ページ12
椿が我が家に来てから長い年月が経った。椿は魂が呪霊に近いからか、それに引かれて肉体も全く歳をとらない。いや、私も歳はとらないんだけどね。
話を本題に戻そう。椿は今私の教え子兼小間使いとして傍においているわけだが、一つ問題がある。
「A様起きてください!!朝ですよ!!!」
『うるさぃ……』
お前は私の母か!!!!!!!!!
そう、椿は酷く世話焼きなのだ。あとちょっとマゾ。この間鍛錬でちょっと虐げたら恍惚とした顔をしていた。私、どっかで教育間違えたかな……???
「ほらA様!」
『まだ辰の刻だろ……』
「駄目です!早起きは三文の徳ですよ!俺がA様の自堕落な生活を矯正するって言ったじゃないですか!!」
『あと半刻だけ…』
「今!!!」
『う゛ぅ……………』
だからテメェは私の母親かっての。
椿に無理矢理布団を剥がされ、結局私は起こされた。うつらうつらとしている内に袴を着付けられ朝餉を食べさせられる。
私より料理上手いんじゃないか?と言えば、山の麓の町へ時々料理を教わりに行っているらしい。町で私は顔が知れているので、面布を付けていても不死鳥様の使いか、ぐらいにしか思われないそうだ。
『……椿』
「はい!なんでしょう!」
『お前、外回り二十周な』
「え」
数十分後、門の前で椿はぶっ倒れていた。六尺棒で倒れた椿をつつく。
『…………死んでる?!』
「生きてます!!!!!!!!!」
勢いよく起き上がった椿は、胸元を抑えゼェハァと息を整える。こういうのもありか…、という呟きは聞こえなかったことにしよう。聞いてないったら聞いてない。
「朝から元気じゃなぁ、お主ら」
「天狐さん……」
私の影から現れた天狐が、面白そうに椿を見る。ニタニタとした笑みを浮かばせている天狐の着物の襟元を掴むと、ギョッとした顔で天狐は私の方を向いた。
『天狐ぉ、丁度いいところに来たな。お前も近接戦闘訓練、やるよな?』
「え」
天狐と椿の半襟を掴んで訓練場まで引き摺り、2人揃って打ち負かした。天狐は術式的に近接だし、鍛えて損は無いもんね!椿も大分上達して来たし、伸び代だな。
「アンタ未だにAから一本も取れないのね」
「笑うでないこの猫畜生が…!!!!」
ニヤニヤと伸びる天狐を見下ろす猫魈に、天狐は大きく舌打ちをする。コイツら、なんでこんなに仲悪いの?あ、喧嘩するほど仲が良いってやつか。
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うさちゃん(プロフ) - ん"ん"ん"ん"ん"ん"ん"好きです!だいすこ。続き楽しみに待ってます (3月27日 11時) (レス) @page42 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
ファナやん - おもしろいです!可能なら原作軸や懐玉編もみたいです! (9月10日 15時) (レス) id: 3812986166 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - 面白すぎて何回も見返してます!更新再開してほしいです…頑張ってください!! (8月7日 14時) (レス) @page42 id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - コメント失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!呪術廻戦のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月24日 10時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
有栖 - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください。(*≧∀≦*) (2023年2月5日 15時) (レス) id: e77b6774d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝋燭 | 作成日時:2021年10月1日 23時