生まれ変わっ……え？平安？【呪術廻戦】

伍 ページ7

10歳になったお♡


今日も今日とて兄様不足！

というか修行始まって3日で兄様シックになった。

よく頑張ったと思う。


さて、4年分の修行に関しては色々要約して説明する。


私は天与呪縛か何かで呪力が言葉の通り底無しにあったので、それを制御し操る訓練。

次に筋力の強化及び体術の鍛錬。

呪具の扱いも学んだが、どうにも私は天才肌のようで、色々な武器に適性があったため呪具の扱いは一旦置いておくことにする。

次に術式の特訓。

【操影術】をひたすらに使い、能力の拡大等を図った。


私頑張ったよ兄様！滅茶苦茶頑張ったよ！！！


そう耳飾りに話している私は、さぞ滑稽だろう。

知らっねーーーよ！！！兄様は離れで独り寂しく私を待っているんだ！！！！！


因みに使用人達は
「姫様、あの様な落ちこぼれに話しかけてはなりません！」「姫様、その耳飾りはお捨て下さい。"離れの猿"と同じ物など姫様には似合いません」


こ ろ す ぞ


なんだ？離れの猿って。兄様が猿ならお前ら全員ミジンコだわ。

いつかこの家潰してやろう。


幾度も思った事をいつも通り考えながら、耳飾りを静かに箪笥へ仕舞った。







・








僕の妹、宵薙Aは、とても優しくて可愛い妹です。

僕はAより2つ上で、初めて会った時の笑顔が今でもずっと脳に焼き付いています。


Aは成長していくにつれ、生まれつきの白い髪が目立つようになり、鬼女、と噂されるようになりました。

更に怪我があっという間に治る、という体質に、臆病な父上達は恐れるようにAを離れに押し込みました。

本当は駄目だけど、僕は妹に会いたくてこっそり離れに通っていました。


お爺様も僕と同じように離れに通っていると聞いて、僕は戦慄します。


お爺様は、恐ろしい人です。

子供の勘、と言うのでしょうか。


僕はお爺様に初めて会った時の事を思い出すと、震えが止まりません。


お爺様も、下衆な人間達の内の1人です。

呪力も術式も無く、役立たずと生まれた時から言われた僕に向けるお爺様の目は、冷たく、爛々としていました。


きっと、Aの修行が終わったら、僕は消されるのでしょう。


嗚呼、愛しいA。





どうか、何にも囚われずに生きてくれ


お爺様に気を付けてくれ




僕の言葉は、離れの静けさに溶けていった。

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