丗陸 ページ42
『そういえば、猫魈は人型になれないのか？』
狐の姿の天狐に寄りかかりながら、膝の上にいる猫魈へ聞く。完全な人型の呪霊は殆ど見ないし、前世の知識でも人型の呪霊は真人くらいだった。
同じ特級呪霊。矢張り猫魈も人型になれるのだろうか、と思っての質問だ。
「なれないわよ、なろうと思ったことないもの」
「いや、なろうと思ってなれるものではないぞ」
猫魈の返しに、天狐は珍しく真剣にそう答えた。
えっ、そうなの？お前サラッとやってたじゃん？
「吾が人型になれるのは、人間に化けるという思想に基づいた上で出来るものじゃ。元は狐、人型にはなっていると言うより化けていると言う方が正しかろう」
て、天狐が真面な事を言っている……！！！
確かに、天狐も猫魈も仮想怨霊だ。じゃあ…
『じゃあ、猫魈は人の姿になれる、という世評を広めれば猫魈は人になれるという事か？』
「恐らくじゃがな」
「なら広めましょうよ！わたしが人になれるっていう噂！」
話を聞いていて乗り気になったのか、私の膝の上でお行儀よく座ってそう口にする。
「はぁ？なんで主と吾がお前の為にそんな事せねばならんのだ。お前にはその四足がよく似合っておるぞ」
ケラケラと笑う天狐に、フシャー！と癇癪を起こす猫魈。呪霊同士仲良くしてよォ……！
はぁ、と私は溜息をつき、2匹の頭を撫でる。
『今日の目的地までの道中で、言いふらす事にしよう。人型の方が、猫魈も私の傍で過ごしやすいだろうしね。』
「？目的地？」
目的地、というワードに猫魈が反応する。
『今日は天元様の在処、呪術上層部の方に行くよ』
「おお！久しぶりじゃな、彼処へ行くのは！なんじゃ、また女人の扱いについての抗議でもするのか？」
「それってわたしが行っても大丈夫なの？」
『大丈夫だよ、私が使役しているからね。それと今日の目的は抗議じゃない』
顔の前に人差し指を立てて、私は言った。
『＿私達の家を建てて貰う為に建築士を紹介して貰うのさ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1520人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
象(プロフ) - 夢主ちゃんと宿儺が初めて会ったときの夢主ちゃん脳内ｗｗｗ。「これに尽きる。マジでやべぇ」が特にｗｗ (2022年3月21日 15時) (
レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと - 謎の疾走感が…wwwお腹抱えて爆笑したんですが…www (2022年1月8日 15時) (レス) @page2 id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
あまぬん - いっけやなーい社畜社畜 で吹き出してしまったw (2021年12月20日 20時) (レス) id: cc856e48b6 (このIDを非表示/違反報告)
ラヴァン(プロフ) - 透視…したのか… (2021年10月19日 22時) (レス) @page30 id: 147aa62bad (このIDを非表示/違反報告)
nakataniayaka20(プロフ) - 宿儺様と恋愛させたい(現代で)宿儺様好きになりました(あなたのおかげで)ありがとうございましたm(_ _)m宿儺様大好きです (2021年10月6日 6時) (レス) @page26 id: 7836429623 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蝋燭 | 作成日時：2021年9月4日 18時
