ＣＡＮＤＹ２ Kento.N

４２ ページ43

健人side

いつも以上に緊張して、プレッシャーに押し潰されそうな俺。



エースとして本当に情けねぇなって思う。



試合が始まって早々に流れをもっていかれて



本当は俺がチームを引っ張っていかなきゃいけないのに



俺がフォローされてばっかで



チームの為に頑張りたいのに上手く体が動いてくれない。



どうしたんだよ…



やっと調子が出てきたのは後半で



それでも点数を越えることができなくて



苦しい試合。



チーム皆で励まし合うけど、それでも残り30秒で２点差か…



どうしたもんかと考えていたら



グイッとユニホームを引っ張られて思いっきり転んだ。



なんだよって思ったけど、これは俺に訪れたこの試合最初で最後のチャンス



フリースロー。



プレッシャーはでかい。



でも、今日ボロボロだった俺をフォローしてくれた皆に



恩を返す番だ。



震える手。



正直怖い。



そんなときに、頭の中に浮かんでくるのは



愛しい愛しい人で



客席を見ると心配そうにこっちを見てるAちゃん。



ああもう。



俺はAちゃんにどれだけ力をもらったら気がすむんだろう。



Aちゃんが居るっていう安心感が少しだけ俺を落ち着かせてくれる。



そういえば今日、全然かっこいいとこ見せられてないじゃん。



俺、決めるよ。



だからそのまま目離さないで



俺のこと見てて。



俺はゴールに向かってボールをシュートした。

４３→←４１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す