天馬(リク) ページ9
俺がいつも忙しくあちこち行っているから、会う時間も一緒に居る時間もほとんどなかった。それでもこいつは文句一つ言わない。俺が帰ってくると毎回、嬉しそうに駆け寄ってきて、人懐っこい小動物の様に俺に抱きつく。その度に、会えた嬉しさとこいつの可愛さでくらくらしている。そんな俺の心境を知ってか知らずか、こいつは追い打ちをかけるように俺の頬にキスをするから、その後の理性が機能しない。つまり、俺はこいつにベタ惚れなわけだ。
「本当に今日はお休みなんだよね？」
「ああ、お前の好きなところでいいぜ。」
「やったー！天馬と行きたかったお店があるの！あ！あとね「A？」……！」
夢中で話すこいつの後ろから聞き慣れない声が聞こえた。振り返ると、背の高い男が俺の横にいるこいつに向かって手を振って立っていた。
「兄さん！」
「！？」
予想もしない発言に思考が一時停止した。兄さん…？確か兄弟はいないって言っていたはずだが…？俺の情報と目の前で起きている出来事を照らし合わせる。だが、いくら照らし合わせても矛盾しか出ない。いや、それよりも、なぜ俺よりそんなに親しげに話してんだ…っ！
「…こちらの人は？」
「彼氏の天馬！天馬、こちらは近所のお兄さん！小さい頃よく遊んでもらったの！」
「……………どうも。」
「天馬くんか！よろしく！」
そう言って右手を差し出してきた。勿論握らない。
「ちょっ…！天馬！…ごめんね兄さん。」
「大丈夫だよ。それより明日さ、」
俺の事などお構い無しに話続ける男。小さい頃からの仲だか何だか知らないが、俺の女と仲良く話している姿がすげえ気に入らない。俺のものなのに、俺のなのに…！あいつも何、笑顔振り撒いてんだよ…。俺にだけ笑ってろよ…！
「て、てんま…？！」
気づけばあいつの腕を掴んで歩き出していた。細い路地に入り、壁に押し付ける。頭の中で、さっきの光景がちらつく。
「どうしたの天馬！兄さん、驚いてたよ？！」
「うるせえ。」
「天馬……？」
自分でも驚く程低い声が出た。…あぁ、ダメだ。抑えられない。
「なあ、俺だけ見てろよ。」
そう言って、こいつの唇に噛みついた。
*20170206
リア様リクエスト【嫉妬】天馬
ありがとうございます！
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Aris - 天馬の感情がとても可愛いかったです( ^ω^ ) (2021年5月17日 22時) (
レス) id: 07b3866fc0 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 紅兎さん» 紅兎さんありがとうございます(´；д；｀) 以前よりも遅くなってしまいますが更新がんばります！ (2019年12月4日 22時) (レス) id: dd4451f660 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎(プロフ) - 主さまのペースで更新頑張ってください！いつまでも待ってます！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 83a25d3fd1 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 夜桜さん» 夜桜さん、コメントありがとうございます。消化頑張ります＞＜ かなり不定期な更新ですが、気長にお待ちいただければと思います！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: ec78dea903 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！とっても良かったです！リクエストの消化頑張ってください！更新待ってます！ (2017年12月12日 15時) (レス) id: e7a9357e65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤田 | 作成日時：2017年1月17日 23時
