斑鳩士門(リク) ページ33
さっむ……。
目を開けると、上へと続く階段が入ってきた。頬にはフローリングの感触。状況からして、廊下で寝ていたみたい。硬いところで寝た為か身体が痛い。てか、なんで廊下で寝てたんだろう？
「取り敢えず支度……………ん？」
あれ？声……低くない……？寝起きにしても低くすぎじゃない……？！男みたいに低くない？！！なに、何が起きてるの私の身体……！！
「おい……っ！！」
一人でパニック状態になっていると、後ろから声をかけられた。振り返ると、そこには―――。
「………わ、私がいる……。」
私の身体が立っていた……。
「なんで、私……。あっ、もしかしてドッペルゲンガー……。」
「違う！自分の身体をよく見ろ！」
そう言って私が私に手鏡を見せてきた。
「なっ……なんじゃこりゃああああ……っ！！！」
鏡に映った私は、見慣れた赤い髪に紫の瞳。そして首もとにはスカーフ……。この特徴的な容姿は間違いなく、斑鳩士門。という事は……。
「私の身体には士門が……？」
私の問いに小さく頷いた。それはつまり、入れ替わってしまった、という事になる。
「昨日、あんたが階段を踏み外して、下に居た俺とぶつかったんだ。」
「え、まさかその衝撃で……？」
「あぁ。」
なにその漫画みたいな展開。
「とにかく、一刻も早く元に戻りたい。という訳で、もう一度踏み外して落ちてこい。」
「言ってる事が恐ろしいんだけど。」
「あんたが行かないなら俺が行く。」
そう言って階段を上る士門。すかさず抱きつき、動きを止める。
「やめてーっ！！私の身体に変な傷ついたらどうすんの！！」
「っ！？おい、馬鹿！！離れろっ！！」
「やだー！！だって自分の身体だもん！！」
「そういう問題じゃないっ！！」
「じゃあどういう問題よ！！」
「だっ、だから……！中身は入れ替わってるけど……っ、一応、身体はお互いの…………っ！？」
「あ。」
階段だという事を忘れ、重心が後ろになり、立て直そうと咄嗟に、自分の服を掴んだ。けど、勢いと重力によって、士門もバランスを崩し、共に落ちていった。
低く鈍い音が頭の中で響いた。僅かに開いた目から士門の顔が見える。あぁ……。戻ったんだ。
気をつけろよ。
そう、士門の口が動いた気がした。表情は怒ってるわけでもなく、どこか優しかった。
*20170605
白虎姫様リクエスト【入れ替り】士門
ありがとうございます！
遅くなりましたー！＞＜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Aris - 天馬の感情がとても可愛いかったです( ^ω^ ) (2021年5月17日 22時) (
レス) id: 07b3866fc0 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 紅兎さん» 紅兎さんありがとうございます(´；д；｀) 以前よりも遅くなってしまいますが更新がんばります！ (2019年12月4日 22時) (レス) id: dd4451f660 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎(プロフ) - 主さまのペースで更新頑張ってください！いつまでも待ってます！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 83a25d3fd1 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 夜桜さん» 夜桜さん、コメントありがとうございます。消化頑張ります＞＜ かなり不定期な更新ですが、気長にお待ちいただければと思います！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: ec78dea903 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！とっても良かったです！リクエストの消化頑張ってください！更新待ってます！ (2017年12月12日 15時) (レス) id: e7a9357e65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤田 | 作成日時：2017年1月17日 23時
