斑鳩士門(リク) ページ27
初めはとても優しくて一緒に居て楽しくて、笑いが絶えなかった。けど、いつしか士門は暴力を振るうようになっていた。理由は分からない。私が泣くとすぐに止まり、さっきとは打って変わって私を心配する。その後は謝って、私が居ないと可笑しくなりそうと言うのだ。これが、日常。
「…………ねぇ、士門。もう、終わりにしよ。」
そして、こんな日常はもう、いらない。
「何、言ってるんだ……？」
「もう無理、なの。堪えられない……！」
声を荒らげて言った。好きだったのに……。士門の事大好きだったのに。こんなに辛い想いするくらいだったら初めから付き合わなきゃよかった……！
さようなら、さようなら……士門。
「……………………。」
すると、ふらふらとした足取りで士門は窓の方へと向かった。鍵を開け、窓を開ける。外の空気が一気に流れ込んできた。
「俺は……今でもあんたが好きだ。」
「……っ！」
「けど、俺が居ることによってあんたは傷付いてきた。それでも今までずっと我慢して俺と付き合ってくれた。」
「…！！そ、それは違っ―――」
「なぁ。今までありがとう。」
窓の縁に右足をかけて、身を乗り出した士門―――。
え……ちょっと待ってよ……。何してる、の？
「あんたが居なきゃ、俺は居る意味がない。」
待ってよ……待ってってば……！！
「俺は……消えた方がいいんだ―――。」
「待ってよっ！！ねえっ！！！」
重心を前にかけ、今にも飛び降りそうな勢いの彼の服を引っ張り、部屋の中へと戻す。
「なんでそんな事……！」
「なんでって……。」
「私だって士門の事、今でも好きだよっ！！あんな事言ったけど、本当は……本当は……っ！」
溢れてくる士門への想い。一緒に楽しく過ごした思い出が次々と再生され、それと同時に涙が込み上げてきた。
「ごめんね……士門。」
士門の胸に顔を埋める。その瞬間、塞き止めていた涙が溢れ、士門の服を濡らしていった。
「俺が悪いのに、なんで泣いてるんだよ。」
「だって……私が酷い事言っちゃったから……！だから士門、あんな事……っ！」
「……………。」
「ごめん、なさい。本当に、ごめんなさい……！やっぱり私、士門じゃなきゃダメだよ…。」
「……俺も。あんたじゃなきゃ俺、生きていけないよ。」
そう言って、優しく頭を撫でてくれた。
「これからも、俺とずっと一緒に居よう。」
*20170325
御世様リクエスト【ヤンデレ】士門
ありがとうございます！
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Aris - 天馬の感情がとても可愛いかったです( ^ω^ ) (2021年5月17日 22時) (
レス) id: 07b3866fc0 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 紅兎さん» 紅兎さんありがとうございます(´；д；｀) 以前よりも遅くなってしまいますが更新がんばります！ (2019年12月4日 22時) (レス) id: dd4451f660 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎(プロフ) - 主さまのペースで更新頑張ってください！いつまでも待ってます！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 83a25d3fd1 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 夜桜さん» 夜桜さん、コメントありがとうございます。消化頑張ります＞＜ かなり不定期な更新ですが、気長にお待ちいただければと思います！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: ec78dea903 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！とっても良かったです！リクエストの消化頑張ってください！更新待ってます！ (2017年12月12日 15時) (レス) id: e7a9357e65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤田 | 作成日時：2017年1月17日 23時
