天馬(リク) ページ22
「あ、あの……天馬様。」
「んん？」
「…………仕事が、出来ません。」
―――数分前。
明日までに仕上げなければならない書類を書いていたら、天馬様に腕を掴まれた。無言だったので、まさか粗相をしでかしてしまったのではと思い、必死に今日の事を思い返す。そうこうしている間に腕を引っ張られ、布団の方へと連れていかれた。天馬様はその布団に入ると、隣をポンポンと叩いて私をじっと見る。本能的に一瞬躊躇ってしまったが、すぐに天馬様の隣に身体を置いた。
「………ちげぇだろ。」
天馬様がそう呟いたのと同時に、私の身体は天馬様に包まれた。私の背中と腰には腕がまわされていて、顔の位置はだいたい天馬様の首あたり―――……あれ？抱きしめられて、る……？
「あ、あの……天馬様。」
「んん？」
「…………仕事が、出来ません。」
とても嬉しい事だけれど、私には書類を明日までに仕上げなければならないという任務がある。どうにかして抜け出さなければと考えていると、幸いな事に胸の位置に手があった。大変申し訳ございませんと心の中で言いながら天馬様の胸板を軽く押した。
「それは押してるつもりか？んん？」
私がこれ以上抵抗出来ないように、天馬様が強く抱きしめてきた。おかげで全然動けないし、かなり密着してしまった。男女の力の差を改めて認識出来た瞬間だ。
「はじめから大人しくしてればいいんだよ。」
声色からして、天馬様が上機嫌なのがわかった。
「は、はい……。ですが、今日はどうしても書類を仕上げなくてはいけないので、出来ればその……終わってからでも……。」
「…………………ダメだ。」
「……？」
「お前いつも仕事ばっかりじゃねぇか。たまには俺に構え。」
そう言って足を絡ませ、頬擦りをしてくる天馬様。動く度に天馬様の髪が私の顔をくすぐる。こんなお姿、今まで一度も見たことがなかったなぁ。
「ふふふ……。」
「……なんだよ。」
「申し訳ございません。天馬様が猫みたいで可愛いな、と。」
「……………………うるせぇ。」
ぽつりと呟いた後、力を緩め、天馬様は私を見つめた。
「……１日１回、必ず俺に構え。」
少し顔を赤らめて言う天馬様。
「かしこまりました。」
私の返事を聞いてとても満足したようで、何度も何度も、天馬様は私の頬にキスをした。
*20170317
にろりん様リクエスト【甘えてくる】天馬
ありがとうございます！
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Aris - 天馬の感情がとても可愛いかったです( ^ω^ ) (2021年5月17日 22時) (
レス) id: 07b3866fc0 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 紅兎さん» 紅兎さんありがとうございます(´；д；｀) 以前よりも遅くなってしまいますが更新がんばります！ (2019年12月4日 22時) (レス) id: dd4451f660 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎(プロフ) - 主さまのペースで更新頑張ってください！いつまでも待ってます！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 83a25d3fd1 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 夜桜さん» 夜桜さん、コメントありがとうございます。消化頑張ります＞＜ かなり不定期な更新ですが、気長にお待ちいただければと思います！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: ec78dea903 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！とっても良かったです！リクエストの消化頑張ってください！更新待ってます！ (2017年12月12日 15時) (レス) id: e7a9357e65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤田 | 作成日時：2017年1月17日 23時
