天馬 ページ3
「いっ…？！」
上半身を起こした瞬間、腰に痛みが走った。今までこんな事は１度もなかった。これはもしかして…！
「腰痛…！あだだだだだだ…っ！！」
身体を動かす度に腰が悲鳴を上げる。私の方が悲鳴上げてるんだけどね！てか、腰痛ってこんなに痛いんだ…。これは辛いわ。…はっ！違う違う！私は腰なんて痛くない、私は腰なんて痛くない、私は、
「さっきから何やってるんだ？んん？」
げっ。一番見られたくない人に見られてしまった。
鸕宮天馬。
十二天将の中で最強の男。髪が長くて背が小さく、ぱっと見女の子に見える男。
「今、俺の事悪く言っただろ。」
「言ってません。」
そして私の幼馴染み。
「まぁ、いい。で、何してんだ？」
「腰が痛くなったから、脳の妄想を阻止しようと。」
「……馬鹿か？」
「至って正常だわ！」
きょとんとしながら言ってくるのが腹立つ…！私だからまだ良いけど、他の子に言ったら、十二天将の天馬の言葉に反論なんか出来ないんだからね！心の中でめちゃめちゃ傷付いてるかもしれないんだからね！
「腰痛が脳の妄想とか聞いたことがねぇ。」
「私もこの前まで知らなかったんだけど、腰痛のほとんどが脳の妄想らしいよ。テレビでやってた。勿論、病気とかで腰痛くなるものもあるから、一概に全部ってわけじゃないけど。」
「ふーん。」
天馬はあまり興味がなかったのか、反応が薄い。その直後、何か思い付いた様で、たちまちいつもの表情に戻った。いや、いつも以上に楽しそうな感じがよく伝わる。
「今の話、脳が、腰が痛くなるって妄想したから実現してるんだよな？」
「ま、まあ、そういう事になるよね。」
「なら…、」
天馬が徐々に私との距離を詰めていく。左右の目の色が違う彼の瞳は、しっかりと私を捉え、映している。整った顔立ち、不敵な笑み…。あまりにも美しすぎて顔を背けてしまった。が、彼は直ぐに私の顔を自分の方へと向けさせ、言葉を続けた。
「これから俺達は付き合い、結婚する。これ、脳の妄想だから実現するよなぁ？んん？」
そう言うと、彼は満足そうに帰っていった。私は、火照った顔を抑えながらその場にしばらく座り込んでしまっていた。
後日、天馬が改めて言いに来たのは言うまでもない。
*20170119
*20170207 修正
天馬が一番好きですが、難しい…。
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Aris - 天馬の感情がとても可愛いかったです( ^ω^ ) (2021年5月17日 22時) (
レス) id: 07b3866fc0 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 紅兎さん» 紅兎さんありがとうございます(´；д；｀) 以前よりも遅くなってしまいますが更新がんばります！ (2019年12月4日 22時) (レス) id: dd4451f660 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎(プロフ) - 主さまのペースで更新頑張ってください！いつまでも待ってます！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 83a25d3fd1 (このIDを非表示/違反報告)
藤田(プロフ) - 夜桜さん» 夜桜さん、コメントありがとうございます。消化頑張ります＞＜ かなり不定期な更新ですが、気長にお待ちいただければと思います！ (2017年12月16日 15時) (レス) id: ec78dea903 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 初めまして！とっても良かったです！リクエストの消化頑張ってください！更新待ってます！ (2017年12月12日 15時) (レス) id: e7a9357e65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤田 | 作成日時：2017年1月17日 23時
