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一体何があればこうなるのか。
私は今、タクシーに揺られている。
登坂広臣と共に。
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「待って」
声の主は一瞬で分かった。
『...登坂さん?』
「あーよかった、間に合って」
少し息切れしている。
わざわざ走ってきてくれたんだと分かると、申し訳ない反面少し嬉しく思ってしまう。
「これ、忘れ物」
『わ、パスケース...!ありがとうございます、でもわざわざ...すみません』
なんてもの忘れてしまったんだ私は。
だけどやっぱり私の推しは、人柄も良く他人の忘れ物まで届けられる、とまた感心。
「いいよ、その代わりさ、タクシー同じの乗せてくれない?頼み忘れちゃって」
『全然全然、大丈夫です。どうぞ』
「ありがとう」
ニコッと笑う罪な男。
しかもレディーファーストで私を先に乗せてくれる。
彼の歌声に惹かれたが、そんな優しい所にも惚れてるんだったな。
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shirey(プロフ) - 待ってました(;_;)どうなるのか楽しみです! (2021年11月27日 14時) (レス) @page33 id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りーりー | 作成日時:2021年8月24日 15時