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「まあまあ、とりあえず座りなよ!この店広いから、そっち結構空いてると思う」
岩田さんが笑い上戸になっていると、お酒を片手に助っ人を入れるNAOTOさん。
隣に座る直己さんとセットで見ると、熟年夫婦感が溢れていてなかなかに面白い。
私はすみません、とだけ言って横の通路を進む。
「待って、俺もそっち行く」
『え、登坂さん!?』
急に腕をつかまれ困惑するも、登坂さんの歩幅が大きいためとりあえず早足でついていく。
タクシーの時から思ってたけど、この人距離感がバグりすぎてる。
それとも私が慣れていないだけなのか...
『...登坂さん?』
向こうの席に行くのかと思ったら、急に曲がってのれんの方向に進み出す。
呼んでも、いいからとしか言ってくれない。
『あの、そっち行ったら店外ですよ...?
私まだ皆さんに....』
挨拶してなくて、と言おうとしたとき。
急に止まって後ろに手を回されたと思いきや、私の知っている登坂さんからは考えられない行動。
「...顔真っ赤」
たしかに触れた。
私と、登坂さんの唇。
『登坂さん...』
咄嗟に肩を押し、思わず零れた涙を拭う。
何で泣いてるのか分からないと言わんばかりの登坂さんを一瞥し、目を合わせたまま口を開いた。
『...最低です』
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shirey(プロフ) - 待ってました(;_;)どうなるのか楽しみです! (2021年11月27日 14時) (レス) @page33 id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りーりー | 作成日時:2021年8月24日 15時