後輩と、同棲中。(( 桃 ))

同 棲 。 ページ4

望side





もう立ち直られへん。

Aちゃんが誰かに頭ポンポンされた情報が耳に入ってきた。





望「ただいま………」

「おかえりなさい」





Aちゃんのおかえりが大好きやのに、今日はなんか聞きたくない。





「望先輩？」

望「ん？」

「大丈夫ですか？」






俺が元気ないのを見計らってか、心配そうに覗き込んでくる。

あー、やっぱり好き。







「望先輩？」







ぎゅうっとAちゃんを抱き締める。







望「頭ポンポンされたってほんま？」

「えっ！」

望「誰に？」

「同じ学部の先輩です」

望「Aちゃん」







じーっと、Aちゃんの目を見つめると、不安そうに瞳が揺れる。







望「こんなこと言うたらかっこ悪いんやけど………」







.







.







Your side







望「誰にも触らせたくない」

「………っ！！」







私の耳元でそう囁いた望先輩。

頭おかしくなりそう。






望「なんか、束縛してるみたいやな……。最悪や俺」

「そんなことないです！触られたくないのは私も一緒ですよ！」

望「え？」







私だって、望先輩の話を聞かないわけじゃない。

綺麗な女の人と並んで歩いてたとか、仲の良い女子が多いとか、

でもそんなことは高校時代から分かってたことやし、いつも知らないふりをしてた。







「私だって、望先輩を誰にも触らせたくないです」

望「待って、可愛すぎるわ。反則や」








そう言うと望先輩はまた私をぎゅうっと抱きしめた。







望「キス、しよか」

「言わなくて良いですよ」

望「じゃあ、遠慮なく」







私の唇を食べるようなキス。

ほんまに愛されてるなぁって思う。







「せんぱ…いっ……」

望「望やろ」

「ん、望……っ」

望「何？」

「好き」

望「俺は大好き」

「…………っ、私は愛してますよ！」






私だって、言われてばっかじゃないんやから！

そう思って、望先輩を見上げると、





「あれ…？」






顔が真っ赤になってた。





望「ちょ、待って、Aちゃん。可愛すぎ。無理」





またもやぎゅーっと苦しいぐらいに抱きしめられる。

望先輩はかっこよすぎます。

でも、これは内緒にしとこ。

ほんま幸せやなぁ。



なんて、この時はのんきに思ってられた。

あんな事件が起こってしまうまでは…。








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