悪？…これは”正義”だよ (ページ13)

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＃１３ページ13

「弔くん、訓練手伝ってもらってもいい？」

「あぁ」

「ありがと！」

最近、今の戦い方が自分に合っていないような気がする。

今は、近距離戦を避けて、敵を近づけないようにしている。

そう思ったのは、荼毘くんの一言だった。

『お前、体術出来るだろ？何でやらないんだ？』

ヒーローだった父から、幼い頃は嫌というほど

体術訓練はしてきたから、普通の人よりはできると思う。

でも、何でやってこなかったんだろう。

接近戦が必要ない個性だから？

「クロロ、腰低くしろ。掬われるぞ」

「はい！」

弔くんに転がされながら、個性を使う。

難しいな、同時にやるって……。

「はい、飲み物」

「ありがと」

「……何で急に訓練なんか…、お前は十分強かっただろう」

弔くんは水を片手にそう言った。

確かに、負けることは無かったし、今の戦い方で十分通用する。

「何か、違和感だったんだ。自分の戦い方が…」

「そうか」

弔くんは、深く聞いてくることも無かった。

その心遣いがありがたい。

「全部、壊すには…今のままじゃダメなんだ……」

「そうだな。今でもお前は十分強いが、全部壊すには、……か」

「うん。だからもっともっと強くならないと！」

「よし、再開するか」

「よろしくお願いしますっ！」