＃３ ページ3
「合宿に来て、自分の無力さを思い知って…最近、前を見るのが怖いんです」
「…そっか」
「灰原君も、犬岡君も僕よりずっと先を歩いていて…夜久さんの背中は頼もしくって、
でも来年からは自分があんな風にならないといけないんだと思うと…」
「うーん。…芝山は芝山でいいんじゃない？」
「っ…」
「だって、芝山はリエーフでも犬岡でも夜久でもないでしょ？芝山には芝山にしかない
”武器”があるんだから、わざわざ他人にならなくっても良いんだよ。
俯きたいんだったら満足するまで俯いたらいい。今の自分に出来る最大限の努力を
地道にやっていけばいい。君は音駒一の努力家だって、私は知ってるよ」
私はポケットからペンを出してノートに挟んでいた丸シールに
ニコちゃんマークを描いで、芝山のシューズのつま先に貼った。
「俯いても、こいつが居るから大丈夫！何とかなる！！私が魔法かけてるから(笑)」
「っふ(笑)。ありがとうございます。元気出ました」
「良かった。…あ、ごめん！勝手にシール貼っちゃって…」
「いえ、嬉しいです」
「笑った」
「え？」
「最近、芝山全然笑ってなかったよ？めーーーっちゃ心配したんだからね？！」
私は芝山の頬を手のひらで覆った。
…やっぱり、好きです。
「え？」
「…え？」
「え、今…好きって…………」
「ええっ！！？？声に……！？えっ/////////////」
え、私の聞き間違い？
でも、確かに「好き」って…。
「すみません！い、一旦忘れてください！！」
「あ、うん。分かった…！」
そう言って芝山は「れ、練習…戻ります！」と走っていった。
その背中を見送ってから「はーーっ！」と私はしゃがみ込んだ。
「忘れられないに決まってるでしょ、芝山のばぁーか…………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼穹＠小鳥遊。 - りんごさん» コメントありがとうございます！！！更新頑張っていこうと思うのでこれからも見ていただけたら嬉しいです！ (5月4日 5時) (
レス) @page1 id: 8087978939 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 続き読みたいです！やっと恋を自覚してこれからって感じなので更新待ってます！ (1月12日 9時) (レス) @page2 id: 16ff53d56a (このIDを非表示/違反報告)
蒼穹＠小鳥遊。 - はるさん» コメント、ありがとうございます！更新が遅くて申し訳ないです。はる様の応援を糧に、お話をどんどん公開していきます！！ (10月23日 5時) (レス) id: d86a2ca312 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月11日 21時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
