【APH】幼馴染みって。【アイスランド】

フランボワーズは甘酸っぱい1 ページ7

ちょいちょい、とイースに手招きする。
耳を貸せ、という意味は察した様で、くいっ、と顔を寄せてきた。

……肌も髪も綺麗に白いし、男の癖に良い匂いがするんだよな。

「何でフランスん家にゲジゲジが出てるの？」
「知らないよ。政府専用機引っ張り出せって言ったのそっちでしょ。相手の都合とか考えてないし。丁度格闘中だったんでしょ、毛虫と」
「お前ら聞こえてんだからな」

御免なさい、と平謝りしておいた。

「まぁまぁ、玄関じゃあれだし、entrez(入って)」

腐れ縁が居ても変わらないフランス。流石です。

家の中はやはりお洒落で、男の家とは思えない。……アロマっぽい匂いもするんですけど。

「――で、Aちゃんは何の用で来たの？」
「え？えーっと、」
「どうせ下らない理由なんだろ」
「うっさいな眉毛！」
「下らないAと五月蝿い眉毛……ふっ」

イースが軽く吹き出したのが見え、複雑な気分になる。……調子狂うな、全く。

「その……マカロン食べに来た……です」

下らないとか誰かさんに馬鹿にされたおかげで、言うのが恥ずかしくなってきた。
少し頬が熱いのが判った。

「ぶはっ、来たですって何だよ！はははっ！」
「もー、イギイギ静かに！女の子のお願いくらい黙って聞きなさい！だから紳士って言ってもらえないんだよ？」
「あ？英国紳士を馬鹿にすんなばかぁ！」
「馬鹿にはしてないよ！？」

TPOに構わず茶番を始める様子は、まさに幼馴染みと呼ぶに相応しい関係だ。

……私達とは、やっぱり、違う？

幼馴染みで、纏められないのかな？

「Aちゃん？金色毛虫の事とか気にしないでね？」

どうやらフランスは私がイギリスの言い方にショックを受けた様に見えたらしく、気遣う様な形で私の事を窺った。

「ん？いや、違う違う。ただ、ボーッとしてただけ。ところで、イギリスは何でフランスん家に居んの？」
「何で俺の扱いは何処に行っても適当なんだろう……。っは、え、や、その……これは友達が欲しいとかではなくてだな、誇り高き英国を卑下されてはこ、困ると思ってな！」

途端に慌てふためくイギリスに謎を抱き、私は呆然とした。

これが、つんでれ……。
日本さんの言ってた、生つんでれ。
美味しくは無さそうだけど。

と、イースが口を開いた。

「ちょっと、質問の答えになってない！イギリスのフランス訪問理由でしょ！」
「ぐ……折角話題を逸らしたのに……」

逃げるつもりだったのか眉毛紳士。

逃がさないよ元ヤン紳士。

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