【APH】幼馴染みって。【アイスランド】

意識する ページ6

「ねぇイース」
「何？」
「最近元気だね」
「そうだね」
「……こっち向いてよ」

イース君が目を合わせてくれないのです。

「向いてるよ」
「ひたすらチョコ食ってテレビ見てるじゃんか」

私が先程「チョコレート食べよう」とイースを呼びにイースの部屋まで行ったのがちょっと前の話。

イースはそれ以来一度も目を合わせてこない。
いくらなんでも寂しくなって来る。

「イース、こっち向いてよー……」

く、と軽くイースの服を引っ張れば、イースは吃驚した様に目を見開いて、こっちを見てくれた。

と、すぐに頬を赤らめ、ふいっ、と顔を逸らす。

――私たちって、幼馴染みなんじゃなかったの？

喉元まで出かけた言葉は、何故か詰まって出てこなかった。

いや、理由は判っているんだ。


恐らく、私も幼馴染みという関係に縛られたく無い、と何処かで思っているんだろう。


そこまで鈍くはないから、これくらいは自覚できた。

当然だが、自覚すると恥じらいは出てくる。
私は急に恥ずかしくなり、イースの服を手離した。

とはいえ、私がイースのことを好いていると判っても、彼がどう思っているかは判らない。
……先程のキスが恥ずかしいだけかもしれない。

それに、私とイースは性質が違う。

彼は国だ。

寿命的には全く問題ない。というか、私の方が絶対に長生きするだろう。
が、私はイースの恋人になってはいけないのだ。
例え半永久的に不死身だとしても、恋人に危機が迫れば、自己を犠牲にしてしまう可能性がある。

私がそうだった。

「……A？」

どうやら私の氷付け状態に気付き、イースは心配……してくれたのか？まぁ、心配してくれたことにしよう。

「え？あ、あぁ。なーんだいイース君？」
「ひぇ、や、その、難しい顔してたから」

ひぇ、とかイースは本当に中身に女子を持ってるよな。

「そう？心配してくれたんだね。Þakka þér(ありがとう)」
「！……うん、まあ。Þú ert velkomin(どういたしまして)」

うん、やっぱり笑顔が良いよ。

「イース、やっぱ笑ってる方が良いよ。好き」
「え？あ、僕も、Aには笑っててほしい」

何だか二人してカッコつけた様になり、私達は吹き出した。

ところで。

「チョコも美味しいんだけどね」
「うん？」
「久々にマカロンとか食べたいんだよね」
「そう？今度の世界会議で貰ってこようか？」
「いや、今食べたいからフランス行こう」
「……意味わかんない」

という訳で、フランス行きます。

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今日の国歌

Phleng Chat(タイ)

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