みっつめのおはなしから ページ35
「……え、じゃあ、Aって」
「うん。あれから、イースの家に来るまでは、ただの海でいたの」
「そ、なんだ」
イースは伏し目がちに、飲み込むように一言溢すと、黙ってしまった。静まり返る空気が重くて、私はつい乾いた笑いを洩らした。
「あは、何?もう大丈夫だよ」
「ううん。そうじゃなくてさ、Aに大切な人がいたんだな、って思ったら……なんか」
もご、と口ごもるイースに私は首を傾げた。
「え?……まさか、ヤキモチ?」
「いやっ!それは、えっと、良くないって判ってるけど……。Aは今までとても辛くて、一緒にいたかった人と、国だけど、いられなくて……」
「……うん、そうだね?」
「……ごめん。嫉妬した」
「謝んなくていいよ。長寿とふっ切れが私たち化身の強みだし」
ありがと、と私はイースの手を握る。
「い、意味わかんない。何で感謝されてるの」
「ああ、イースん家の言葉で言えばよかったね」
「そういうことじゃなくて」
ややむっとしたイースの顔を見ると、根は素直なんだなあ、とずれたことも考えてしまう。そして、ちゃんと私とイヴァンに対して、誠実になろうとしている姿勢もはっきりと感じ取れて、本当に素敵な人柄になったんだ、と実感もする。
「大丈夫。こうしてやっとイースに会えて、もう逃げないで向き合おうって思えてる。だからー」
インターホンが鳴った。
《アイスランド君?モーリェ?僕だよ。来ちゃった》
「……今、ちゃんと償わないといけないみたい」
「家だけは壊さないでね……」
「ぜ、善処の方向で」
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ディア - 初めまして、楽しく読ませてもらいました。更新頑張ってください! (2022年3月15日 16時) (レス) @page34 id: 8032fbc3aa (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!アイス君可愛いです! (2019年9月8日 23時) (レス) id: 52626f1862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - はじめまして!このお話大好きです!! 更新応援しています!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月8日 16時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
はとのぱ(プロフ) - まい苺さん» ほんとに全然更新できてなくてごめんなさい……!ありがとうございます、励みになります……!! (2019年9月8日 11時) (レス) id: 218c7caaed (このIDを非表示/違反報告)
まい苺(プロフ) - お久しぶりです。 今年、私は受験生なのでなかなか見にこれませんが。更新されたら絶対見に来ます! この話が大好きなので更新待ってます これからも更新頑張ってください! ずっと応援しています (2019年2月17日 20時) (レス) id: 09444efaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はとのぱ | 作者ホームページ:http://m-pe.tv/u/?littlepigeon4
作成日時:2017年2月23日 23時