幼馴染みって。1 ページ30
「お、来たね」
イースは何も言わなかった。ただほんの少し顔を曇らせて、どこか躊躇うような素振りをしていた。パフィンも黙ってイースにくっついている。
すとんとイースがソファーに座ったので、私は話を始めた。
「まず、私が海っていうことからなんだけど。実はね、太平洋も大西洋も、それこそ小さな黒海だって日本海だって、私なの。私は世界の全ての海で、海水なの。だから君が島として出来たこともアイスランドって名付けられたことも全部知ってるんだ。だから私にとっては、割とお互い小さい頃から一緒にいるよなぁっていう意味で幼馴染みってしたことが1つ」
「……うん」
「で、もう1つは……パフィン。パフィンに、私の代わりをしてもらってた。私はイギリスとか、結構一国の下で仕事してたから君の様子を見られなくて。怒らないでね、ほら、君ってちょっと成長遅かったでしょ?だからヨーロッパの強国に対抗できるくらい大きくなれるかが少しだけ不安でさ。どうしても面倒を見てあげたくて、パフィンに頼んだんだ。あの子の面倒を見てくれって、出来れば側に居てやってくれってね」
「え?」
イースは目をしばたたかせると、もう一度「えぇ!?」と驚いた。妥当な反応だとは思うけどね……吃驚し過ぎじゃないですか?
「そ、そうなの?」
喋るのは秘密にしていたくせに、気が動転しているのかパフィンに普通に訊くイース。パフィンはふうと息を吐くと、漸くその口を開いた。
「おぅよ。こーんな可愛い娘に頼まれちゃあ、断る気も起きねぇしな。てか辛かったぜー今まで。旧知のAと一言もお喋り出来なかったんだからよ」
「え、えっと……何かごめん」
「イースが謝ることじゃないでしょ。私が黙ってたんだから、仕方ないって」
「フォローありがとうA……」
何故か落ち込んでしまっているイースを励ます。「マイダーリン元気だして!」と満面の笑みを頑張って作ったら「ば、ばかじゃないの!?」と急に元気を取り戻した。顔面の血行が良くなってますね。
「お前ら本当良くそんな初々しいカップルみたいなの続けて幼馴染みとか訳判んねぇ間柄で納得してたな」
「別に納得はしてなかったよ」
「私も不本意」
「全世界の幼馴染みに謝れ」
今日の国歌
Phleng Chat(タイ)
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ディア - 初めまして、楽しく読ませてもらいました。更新頑張ってください! (2022年3月15日 16時) (レス) @page34 id: 8032fbc3aa (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!アイス君可愛いです! (2019年9月8日 23時) (レス) id: 52626f1862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - はじめまして!このお話大好きです!! 更新応援しています!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月8日 16時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
はとのぱ(プロフ) - まい苺さん» ほんとに全然更新できてなくてごめんなさい……!ありがとうございます、励みになります……!! (2019年9月8日 11時) (レス) id: 218c7caaed (このIDを非表示/違反報告)
まい苺(プロフ) - お久しぶりです。 今年、私は受験生なのでなかなか見にこれませんが。更新されたら絶対見に来ます! この話が大好きなので更新待ってます これからも更新頑張ってください! ずっと応援しています (2019年2月17日 20時) (レス) id: 09444efaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はとのぱ | 作者ホームページ:http://m-pe.tv/u/?littlepigeon4
作成日時:2017年2月23日 23時