Once upon a time1 ページ24
「……えっと、じゃあ続き話すね」
「あ、うん。判った」
「はい、それは私が新しい国の存在を知ったときでした──」
*
泣き腫らした目を擦って、私は海に飛び込んだ。
ローマと一緒の時に気が付いたんだけど、私は海の中に入れば、自由に移動できるみたいなんだ。
それで、私は新しい国を目指した。
▽
陸に上がると、そこには集落があった。集落と言っても、今で云う縄文時代とかそういう竪穴住居とかじゃあないからね。
どことなくローマに似ていたけれど、私はそこがローマでないことはすぐに判ってしまった。
帰ろうかと思ったが、折角だし、私は周辺だけ見て回ることにしたんだ。
ふらふらーっと街を歩いていると、ふと人間達の注目を集めていることに気が付いた。どうしたんだろうと思って自分を見下ろすと、私は自分の服装が他と違うことを発見した。
……トーガっぽいやつ来てるからか。
別に私はそこまでお洒落には興味がなかったから、理由は判っても改善はしようとしなかった。
「
ひそひそ、とそんな声も聞こえたが、私は全くといって良い程気にしていなかった。
ただ、鬱陶しいとは感じていたが。
私も馬鹿ではないしローマ曰く海らしいから、様々な言語を人一倍早く理解できるようになる。恐らくそれを判ってない人達なんだろう。
ローマでは皆が私のことを判ってくれていたのに……。
ティベリウスもカリグラもクラウディウスもネロも判ってくれたし、他の皆も住民達もそうだった。クインティッルス……はちょっと不思議だったけど。
でもそれは、ローマが私を皆に紹介してくれたからに過ぎない。
「そうだ、此処の“国”に会ってみれば良いじゃないか」
きっと、ローマみたいに素敵な国な筈。
そう思って足を踏み出した時だった。
「お前……此所の人間じゃないな?」
振り返ると小さな小さな男の子が居たんだ。
Once upon a time2→←ひとつめのおはなしから
今日の国歌
Phleng Chat(タイ)
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ディア - 初めまして、楽しく読ませてもらいました。更新頑張ってください! (2022年3月15日 16時) (レス) @page34 id: 8032fbc3aa (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!アイス君可愛いです! (2019年9月8日 23時) (レス) id: 52626f1862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - はじめまして!このお話大好きです!! 更新応援しています!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月8日 16時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
はとのぱ(プロフ) - まい苺さん» ほんとに全然更新できてなくてごめんなさい……!ありがとうございます、励みになります……!! (2019年9月8日 11時) (レス) id: 218c7caaed (このIDを非表示/違反報告)
まい苺(プロフ) - お久しぶりです。 今年、私は受験生なのでなかなか見にこれませんが。更新されたら絶対見に来ます! この話が大好きなので更新待ってます これからも更新頑張ってください! ずっと応援しています (2019年2月17日 20時) (レス) id: 09444efaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はとのぱ | 作者ホームページ:http://m-pe.tv/u/?littlepigeon4
作成日時:2017年2月23日 23時