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Olim4 ページ22

「じゃあAは国すらも知らなかったんだ?そりゃローマも知らないよね」
「判ってくれた!?」
「いや本当に無知なんだなって」
「……」

「──って感じで、俺ら国はアウグストゥス達みたいな人とは少し違うんだ」
「30秒の説明有り難うローマ」

本当に簡単な説明だった。

「それで、ローマ。この子は一体何者なんですか?貴方判っているから連れてきたんでしょう?」

アウグストゥスは、疑り深そうな表情をして、ローマに訊いた。私には訊かないんだ、そう思ったけれど、よく考えれば私自身が私のことをよく知らないんだった。訊いても意味は殆どないに等しい。

「この子は……mareだよ。Mare──海そのもの。アウグストゥスなら、俺が航海の守り神って言った意味も判るだろ?」

私は、海という役割なのか。

今まで知らなかった事に、ほぉ、と感嘆の声が漏れる。呆けているような反応の所為か、アウグストゥスが此方を見た。

「……それを聞いて納得しました。彼女が何も物事を知らないのも、それに見合わず身体が成長しているのも、驚く程言葉が流暢なのも、ローマの人々とは見た目が少し違うのも、人ならざる者の気配がすることも、全て」
「やっぱりお前は皇帝なだけあるなぁ」
「まぁ皆さんが望んでくださったので、仕方なく皇帝してるんですけどね!」

その割には全うしてるような……?

キラキラした笑みが再び眩しく感じられた。と、アウグストゥスは私に向き直る。

「えっと、サラーキア。Romam receperint!ローマに付き添うのなら大変でしょうが、ローマは良いところですよ!良ければ楽しんでね!そうだ、今夜宴でも開きましょうか?」
「そんな盛大にしなくて良いよ。Tibi gratias ago」
「えー、勿体無いな」
「アウグストゥスが然り気無く女の子を口説いて、挙げ句の果てに親しげに話してる!お前そんなに女の子狙う感じだっけ!?」
「サラーキアはローマの宝になりそうですからね」
「あれ、俺挑発されてるの?」
「それはないと思うよローマ」
「サラーキア冷たい」

ローマの人柄──人柄と言って良いのかは判らないが──は、誰でも惹き付けるような、そんな不思議な明るさを持っているな、と思った。

こうして、私の居候生活ローマ編が始まった。

ひとつめのおはなしから→←Olim3


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作品ジャンル:恋愛
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ディア - 初めまして、楽しく読ませてもらいました。更新頑張ってください! (2022年3月15日 16時) (レス) @page34 id: 8032fbc3aa (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!アイス君可愛いです! (2019年9月8日 23時) (レス) id: 52626f1862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - はじめまして!このお話大好きです!! 更新応援しています!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月8日 16時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
はとのぱ(プロフ) - まい苺さん» ほんとに全然更新できてなくてごめんなさい……!ありがとうございます、励みになります……!! (2019年9月8日 11時) (レス) id: 218c7caaed (このIDを非表示/違反報告)
まい苺(プロフ) - お久しぶりです。 今年、私は受験生なのでなかなか見にこれませんが。更新されたら絶対見に来ます! この話が大好きなので更新待ってます これからも更新頑張ってください! ずっと応援しています (2019年2月17日 20時) (レス) id: 09444efaa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はとのぱ | 作者ホームページ:http://m-pe.tv/u/?littlepigeon4  
作成日時:2017年2月23日 23時

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