お悩み相談2 ページ2
《……それで、僕に電話したんだ》
「うん、ごめんね」
電話口の向こうから、ううん、気にしないで、と朗らかな声が聞こえた。
やっぱり相談事とかはフィンだなぁ……。
《でもなぁ。僕はそこまで恋愛関係の話は得意じゃないし……しっかりとしたアドバイスは出来ないかも》
「いや、その、そういう訳じゃなくて。何て言うか、フィンの意見を聞きたくて、さ」
《あ、そう?》
そう言うと、受話器は静かになった。
時折呻くような声が聞こえるから、それは恐らくフィンが考えてくれているんだろう。
それにしても、だ。
(……あの時、Aは笑顔だった)
多分、心からそう思っているんだと思う。
でなければ、あんなふんわりとした、
やっぱり、幼馴染みなのかな。僕達。
《……い、おーい、アイス君?》
「えっ、あ、ごめん。ボーッとしてた」
急にフィンの声が聞こえて、僕は慌てて返事をした。
いつの間にかフィンは考え終わっていたみたいだ。
《そっか?それでね、僕としては、になるんだけど。っと、その前にひとつ》
「ひとつ?何?」
《アイス君は、どう思ってるの?……Aちゃんのこと》
「え?」
唐突な質問に、僕の思考回路は固まった。
「どう思ってるって……どういうこと?」
《ええっと、アイス君はAちゃんのこと、本当に只の幼馴染みだと思ってる?それとも、女の子として、好き?》
頭が一瞬真っ白になった。
何かが込み上げてきた様な、不思議な感覚がして、僕の身体に熱が廻っていくのを感じた。
「そ、れは……」
判らない。
判る訳がない。
言葉に詰まって、必然的に受話器を握る力が強くなった。
「幼馴染みだと、思う」
やっと、声を振り絞って出てきた言葉が、これだった。
違うのに。これじゃない。
――幼馴染みじゃないのは、判ってたのに。
《……そう。なら、今まで通りあるべきだよ。いつか心境に変化があるかもしれないけど、今を続けて行くべきじゃないかな》
「……そっか。判った、有難う」
《うん。ごめんね、あんまり力になれなくて》
「ううん。大分助かったよ。じゃあ、またね」
《またねー》
かちゃんと、受話器を置く。
今まで通り、かぁ……。
何か、見つかると良いな。
*
ふぅ、と溜め息を吐く。
「……アイス君にも、春が来ると良いね」
割と覚るフィンランドである。
今日の国歌
Phleng Chat(タイ)
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ディア - 初めまして、楽しく読ませてもらいました。更新頑張ってください! (2022年3月15日 16時) (レス) @page34 id: 8032fbc3aa (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 初めまして!アイス君可愛いです! (2019年9月8日 23時) (レス) id: 52626f1862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - はじめまして!このお話大好きです!! 更新応援しています!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月8日 16時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
はとのぱ(プロフ) - まい苺さん» ほんとに全然更新できてなくてごめんなさい……!ありがとうございます、励みになります……!! (2019年9月8日 11時) (レス) id: 218c7caaed (このIDを非表示/違反報告)
まい苺(プロフ) - お久しぶりです。 今年、私は受験生なのでなかなか見にこれませんが。更新されたら絶対見に来ます! この話が大好きなので更新待ってます これからも更新頑張ってください! ずっと応援しています (2019年2月17日 20時) (レス) id: 09444efaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はとのぱ | 作者ホームページ:http://m-pe.tv/u/?littlepigeon4
作成日時:2017年2月23日 23時