《12.31 更新》悲しい恋のその行方【S.S】 (ページ10)

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10.遭遇ページ10

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翔くんはなんでこんなに私に対して優しくしてくれるんだろう。

私なんて年下のガキで、ただ家が近くて親同士が仲良いからって勉強教えてるだけなのに。

大学にはもっと優しくすべき人が居るんじゃないの？

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私は毎日あゆと登校している。

家から高校はちょっと遠くて乗り換えとかは無いけど、電車に乗らなければならない。

あの人もこの駅からだから、ちょっと早めの時間を指定したはずなのに、。

「A！！見て！！先輩がいる！！」

あゆは目を大きく見開いて嬉しそうな顔をした。

そして、「声掛けてみようかな」と座っていた席を立った。

つられて私も立ってあゆを追いかける。

「あの、昨日先生にレッドカード出されましたよね！？」

この子は直感でものを言う子だ。

礼儀をあんまり知らなくて、よく人を傷つけやすい。

本人はそれに気づいているのか、いないのか。

｢あー。よくあることや｣

あなたの声だ。

｢あ、私新入生の日野あゆって言います！｣

｢へー。あゆちゃん。よろしくね。そっちの君は？｣

あぁ、私か。

忘れたフリなのね。

もう無かったことにしたいのね。

｢…、言う必要あります？｣

｢…｣

｢ちょっと、名前くらい教えてあげなよ」

あゆが諭してくる。

あなたは困った顔をする。相変わらずだな、ってそういう顔をする。

ねぇ、私はその顔が見たかったんだよ。

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