《12.31 更新》悲しい恋のその行方【S.S】 (ページ5)

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05.わたしと彼の関係性(7.7) ページ5

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ーーー…櫻井翔

それが、彼の本名だ。

歳は20。ウチから割と近い大学に通ってる。

翔くんは早生まれだから、今は大学4年でどこの会社に就職しようかちょうど迷っているらしい。

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そんな忙しい中でも、もうすぐ新しい制服を身にまとった私の勉強を教えてくれる。

お母さんは忙しいのにごめんね、って言って翔くんにお小遣いをあげる。いわば家庭教師。

それが、私と彼の関係性。

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「ただいまー」

「おかえり！ママ、おねーちゃん帰ってきたよ！」

「あら、おかえりなさい。今日も翔くんかっこよかったでしょう？」

私の家族はイケメンに弱い。だから、翔くんと私が付き合ってるんじゃないか、っていつも探りを入れてくる。

ほんとうに、いい迷惑。

翔くんだって、もう社会人なんだから彼女のひとりやふたりはいるでしょ。

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お母さんと歩美を適当にあしらって心地いい冷たさの階段を登る。

この、コツコツした音が私はむかしから好きだった。

自分の部屋の匂いも、オーディオをつければなにかしらかかる音楽も。

ぜんぶ、私が此の世でいちばん信頼しているもの。

その大切な空間の中で、私はひとりの人のことを想った。

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