ヒヤシンス -変わらぬ愛情- (ページ3)

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■ ページ3

＊

裕｢あっ｣

すると、その彼女から何かが落ちた

それに気付かず彼女は見上げたまま歩いていく

拾わなきゃ

思う前に、体は動いていた

落ちた所まで行くと、そこにあったのは

ターコイズブルーのように輝いた髪留めが1つ

相変わらず空を見上げている彼女へと駆け寄る

裕｢あのっ!!｣

俺の声に振り向く彼女

本来、その縛っているであろう長い髪がなびく

彼女は、、、

可愛らしい雰囲気だった

裕｢これ、落としましたよ?｣

そう、声を掛けると

『え、あ、ホントだ、外れたのかな!?』

ハッとなり、髪の方に手を当て確認する

その慌てようが可愛くて

『本当にすみません!!』

ペコペコと頭を下げる姿も可愛らしくて

裕｢い、いえ｣

笑いが込み上げてくるのを、必死に我慢した

裕｢はい、どうぞ｣

そう言って、彼女の手の上へ髪留めを置くと

『ありがとうございます、これ、とても大切な物なので本当に助かりました!!』

.

とびきりの笑顔が、俺に降り掛かってきた

ｽﾞﾄﾞﾝ

何かが落ちた音が聞こえる

『それでは、失礼します』

彼女は、その笑顔のままさっきよりも深くお辞儀をして俺の元から去っていった

裕｢…えっ?｣

彼女の笑顔が頭から離れない

不意に、顔が火照る

これは、もしかして…

.

裕｢一目惚れ?｣

.

したのかもしれない

.