花のち晴れ〜another story〜2

めまぐるしく ページ8

*


あれからやっぱり天馬くんに怒られた。

病院に戻る前に

道を歩いてると、目の前に天馬くんの車が止まって…………



後ろの座席から天馬くんが飛び降りてきて

私をそのまま怒った。


理由が押し花なんて言い出せなくて

照れくさいから、なんとか誤魔化して。




病室に戻ると音がいて

涙をたっぷりためた瞳で私を見たかと思うと

ぎゅっと抱き締めてくれた。


"ごめんね"

"ありがとう"

"心配したんだからね"



そんな風に言われて

音の私への愛を感じてニヤけてると

小突かれてしまったんだっけ？







あまりに酷すぎた日々は終わりを告げ………何日かたち、音と二人で登校をしたけど
私たちへ向けられる視線は冷たかった。






めまぐるしく過ぎた日々をゆっくり振り返ろうと思ったのに…………






『………何でこんなことに。』






只今私は

謎過ぎるメンバーでバッティングに来ている。




事の発端を遡るのさえめんどくさい状況。

……なぜか音と、音のバイトの先輩(何度もお会いしたことある)紺野さんとその彼氏…………そして神楽木といった異様な光景。



ベンチに座る私に
神楽木は振り返りもせずに、ただひたすらバットをふっている。だがしかし全然当たっていやしない。




音「ごめんねA。

あいつ野放しにしてると、紺野さんたちに失礼なこと言っちゃうし………それに……」



『それに。

紺野さんの誘いは断れないよ。』



案外私は紺野さんとも波長があう。
何度かお世話になったし………

それ故に、少し強引に誘われてしまっては断れるわけがないのだ。




『神楽木の努力はやっぱりすごいよ………』




晴「一ノ瀬！

俺は絶対ホームランだすからな！見てろ！」




何故か食い気味に怒鳴られて

返事をする前に神楽木はまた、バットを握りしめる。






.









そして長らくの間









ずっとずっと待たされて









かなり待たされて









さすがというべきか。

神楽木は有言実行。
三回連続ホームランを出して得意気に笑っていた。

もんじゃ焼き→←ありがとうのブーメラン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す