花のち晴れ〜another story〜2

泣き落とし？ ページ11

*



愛莉「本当にごめんなさい！」


ただならぬ雰囲気に
紺野さんも彼氏さんも戸惑った様子。




紺野「ななな、何があったの？
こんな美少女に謝られて……一体何が。」



紺野さんが驚くのも無理ない。

だって……当の本人である私と音でも

驚きと戸惑いで上手く声が出せないでいるのだから。



愛莉「私がふたりを学校から追い出そうと仕組んだの………本当にひどいことをしました。

ハルトに言われて………目が覚めた。」




晴「おまえ帰れ！
勝手に来るんじゃねぇ！」


こんなにも反省した様子なのに、
容赦ない神楽木の怒鳴り声に、私までもがびくっとした。



晴「こいつはいつもこうなんだよ。
最後は泣き落としゃいいって思って、
本当に反省してんのかよ？」


愛莉「うん、反省してるよ」


晴「江戸川、一ノ瀬…どうする？

決めろ、許すか許さねぇのか」





そう言われて音と視線を交えさせて
そのまま俯く。


あの時の愛莉さんと全然違って
まるでついていけない私たち。




音「許すも許さないも……

あれは私が隠していたことだし」



『………隠し事をして平気な顔して通ってた私も悪かったです……だから……っ

愛莉「ありがとうっ！！！！」


まだ言い終えていないのに
そのままぎゅっと引き寄せられ
抱き締められる。



愛莉「音さんも！」



私を抱き締める手を緩め
今度は音にまで飛び付く次第。


愛莉「ねぇ！愛莉と友達になってくれる？」



音「友達はちょっと…………」



愛莉「急には無理だよね…………
じゃあ少しずつ考えて?

ハルト……私にチャンスをちょうだい
いいよね？ね？」





晴「いいも悪いも知るかよ。
お前友達できたことないだろ………」




愛莉「だーーかーーら！！」



今度は私の手、そして音の手を握りしめて可愛らしく微笑む。



愛莉「Aと音が

愛莉の初めての友達候補ってこと！

あっ、ごめん、ついつい呼び捨てに……！」




近くで見ても綺麗な肌。
長いまつげ。

どこをみても美しい人。


こんな人を世は美少女とよぶのだろうなぁ。

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