大切な宝物 ページ1
*
"もうAは家族だよ"
"家族？"
"うん、僕の大切な家族"
そう言って、彼はあの後私に
可愛らしい押し花をくれたんだったな。
あの花の名前…………確か………胡蝶蘭？
不安でたまらなかったあの時の私の支えになってくれたのが天馬くん。
そんな天馬くんからの初めての贈り物が胡蝶蘭の押し花。
目まぐるしい日々に呑み込まれて
少しの間だけとはいえ、あの押し花の存在を忘れていたのは不覚だな…………
そう、あの押し花は今でも、
私の手帳ケースに眠っている。
大切な………宝物として。
あれ……どうして私こんな随分前のことを思い返してるんだろう。
それになんだか頭が痛む…………
ズキズキと波のように痛みが繰り返す。
『…………夢？』
そうか、夢だったのか。
目をあけると眩しいほどの光がここぞとばかりに飛び込んできて。
反射的に目を細めると、今度は光を隠すように誰かが私を覗き込む。
天馬「目が覚めた？」
その正体は天馬くん。
椅子から立ち上がって、いつもと同じ心配そうな顔をして私を見ていた。
天馬「…………助けるのが遅くなってごめん。
まだ、痛む…………？」
決して彼が悪い訳じゃないのに
申し訳なさそうに目を伏せる。
あの時聞こえた気がした声。
やっぱり天馬くんのものだったんだ………
『ありがとう、天馬くん。
私は大丈夫だよ……っ、痛っ！』
自分がどんな状態かをイマイチ理解していなかった私は勢いよく上半身を起こすと
想像もしてなかった激痛が走る。
殴られた頬は少し違和感があるくらいだけど
頭の方は殴られどころが良くなかったようだ。
天馬「………まだ安静にしてて！」
肩を掴まれて
そのまま倒される寸前
『………いつもありがとう』
呟けば、天馬くんのその手は止まり
ふわりと私を抱き締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1037人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつみ。 - すごく続きが気になります。更新できる日をお待ちしております！ (2021年6月20日 9時) (
レス) id: 47a4ab95c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいまる(プロフ) - 続き楽しみにしています！ (2021年1月10日 1時) (レス) id: a0d73dbad3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 更新続けていただきたいです！！続きがみたいです！！更新待ってます！！応援しています^ ^ (2020年8月16日 12時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 更新楽しみにしてます。遅くても完結してほしいなって私は思っています。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: 1cf252bae5 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - 天馬君か神楽木か！凄く楽しみです。どっちかっていうと天馬君オチがいいなって思っちゃってます。更新楽しみに待ってます！ (2018年12月28日 1時) (レス) id: 1cf252bae5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひるね。 | 作成日時：2018年5月8日 18時
