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お部屋の外で待つこと数分。
幾分か落ち着いたような声音の「入れ」に促されて、静かにレオナさまのお部屋に入った。
指輪を外していたレオナさまが「クソッ」と悪態を吐く。
「お疲れ様でした」
気休めにもならないだろうけど、労いの言葉をかける。
わたしの方を見たレオナさまが、皮肉めいた微笑を浮かべた。
「どうだった？パーティーは楽しかったか？」
その質問に、正直に答えるべきか建前を言うべきか一瞬迷ったけれど、この人の前で嘘はつけないと思い直して、改めて口を開いた。
「正直…楽しくはなかったです」
「だろ？」
わたしの言葉に同意して深いため息を吐くレオナさま。
「お前にああでも言われなきゃ絶対に参加しねぇよ。クソほどくだらない話に、隙あらばこちらに付け入ろうとする奴ら。まだ小言を言ってくる宰相の方が相手できる」
「予想してましたけど、レオナさまがお目当てのお嬢様方もたくさんいらっしゃいましたね」
文字通り猫撫で声でレオナさまに話しかける彼女たちに、表面上はにこやかに対応するレオナさまだったけれど、彼の尻尾は苛立たしげに少し揺れていたのを思い出す。
レオナさまにご執心の彼女たちは、彼が指輪を全部の指に付けていたにもかかわらず、自分を皇室に迎え入れてもらおうと奮闘していたようだった。
「良いんですか？お嬢様方のお誘いは全部断られてらっしゃったようですけれど」
滑らかな白い肌を惜しみなく晒す、華やかなデザインのドレスを身に纏った彼女たちは、同性のわたしから見ても充分綺麗だった。
そんな彼女たちのお誘いを断るなんて、随分と勿体ないことをしたような気がするんだけれど。
「…香水の匂いで鼻が曲がりそうだったんだよ。俺の肩書きしか見ていないやつも対象外だ。それと」
レオナさまが一旦言葉を切り、わたしを見る。
「自分の飼い猫を睨みつけるような女は好きにはなれねぇなぁ？」
エメラルドの瞳が柔らかく細められた。
「悪かったな、お前は何も悪くないのに」
「…ちょっとだけ、怖かったです」
お嬢様方は必ず、レオナさまの後ろに控えるわたしを品定めするように見てきた。
敵意の込められた視線は得意ではないから、大人しく会釈をすることしかできなかった。
彼女たちは、自分の獲物の近くに居る女は従者であろうとなんであろうと容赦はしないようだ。
それもまたひとつ学んだことだから、文句は言えないけれど。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
