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「いい。嵌めとけ。行くぞ」
「ま、待って！」
思わず敬語が抜けてしまい、慌てて「お待ちください…」と訂正する。
「あ？主人が渡したものを身につけられないって？」
「ち、違くて…」
さも当然というようにリングを渡されたら誰だって混乱する。
しかも相手は一国の第二王子、さらにとんでもない美丈夫の男ときたらなおさらだ。
そもそも、こんな高価な代物、軽々しく従者に渡すようなものじゃない。
と、いうか。
「なんでよりによって右手の薬指…」
右手の薬指には、自分の恋人から貰ったペアリングなどを付ける人が多い。
その理由は、左手の薬指はパートナーから渡されたエンゲージリングやマリッジリングを付ける日まで取っておきたいという気持ちが強いから。転じて、恋人が既にいるという意思表示でもある。
「わたし、別にパートナーだって居ませんし、付ける必要だって無いんじゃ…」
「ちげーよ。虫除けだ」
虫除け。
その言葉に首を傾げたわたしに、レオナさまが口を開く。
「貴族、王族と言っても、褒められたような奴らばかりじゃない。ただお高くとまってプライドが高いだけの奴だって居る。もちろん、女なら見境いねぇ奴もな」
腕を組んだレオナさまの言葉に、背中がチリッとした気がした。
「誰だって可愛がってる飼い猫に手を出されたくはないだろ？俺だって例外じゃねぇ」
彼がニヤッと笑い、わたしの右手を取る。
「お嬢様方とはリングを交換する気もないくせに、仔猫にこんなに高価なものを渡して良いんですか？」
余裕たっぷりに言う彼にモヤッとして、ちょっとした嫌味を返してもレオナさまは動じる様子もない。
「俺は誰のものにもならない。その意思表示をしているだけだ。それに対してお前は既に俺のものだろ？自分のものにマーキングして何が悪い」
なんだかさっきからとんでもないことを言われている気がする。
そんなわたしをよそに、レオナさまが芝居がかった仕草で、わたしの右手に嵌ったリングのトップに唇を落とした。
(＿＿＿あ、)
鮮やかなエメラルド。
レオナさまの瞳と、同じ色だ。
それに気づいた途端、ブワッと顔が熱くなって、心臓が急に煩くなる。
な、な、なんなんだ、この男は！
『マーキング』。その言葉はあながち間違いじゃなかったみたい。
(というより、これは…)
あからさまな牽制、じゃないか。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
