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「目を閉じてください。…ありがとうございます、失礼しますね」
目蓋の裏にエメラルドが隠れたのを確認して、そっと筆を滑らせた。
パーティー当日。
わたしはレオナさまにメイクを施していた。
彼の褐色の肌理細やかな肌には、色の濃いメイクがよく映える。
ブラシに濃いブラウンのシャドウを取り、アイホール全体に乗せる。
目尻にはそれよりも少し濃い色を、瞳の真上の位置には明るい色を。
涙袋に軽く影を付けて、メイク完了だ。
「出来ました」
静かに目を開けたレオナさまを見て、思わずにっこりと頬が綻ぶ。
「とてもお似合いです、綺麗ですよ」
「そりゃどーも。お前も随分と手慣れたモンだな」
褒め言葉を軽く受け流すレオナさまに、「皇后さまのお化粧もわたしがしていたので」と返す。
女性の化粧は工程が多く時間もかかるため、レオナさまのメイクはそれに比べると随分と楽だ。それでもなかなか気が抜けない。
最上と言っても過言じゃないくらいの美しさをもつこの人の秀麗さは、絶対に崩しちゃダメなような気がするから。
実際、今日のレオナさまは誰よりも綺麗だ。
元の美しさを際立たせるメイクの出来は、自分で言うのもなんだけど完璧。豊かな髪は緩く結って左肩に流している。引き締まった身体の線を上品に拾うスーツは、彼のためだけに作られたものだ。
額に少し掛かった前髪を横に流す仕草でさえ様になっている。
嬉しそうにしていたわたしにレオナさまがちらりと視線を送り、意地悪く微笑んだ。
「どうした？見惚れたか？」
否定すれば嘘になるその言葉に、にっこりと笑って「ええ、そうですよ」と返す。
「きっと会場のお嬢さんたちもレオナさまの虜です」
わたしのその言葉に眉を顰めるレオナさま。もちろん、彼が女性を無下にできないことを知っての発言だ。面倒だなんだと言いつつ、これでしっかりお嬢様方のお相手をしてくださるだろう。
何かあって色々言われるのはわたしだって嫌だもの。
「お前本当に…図太くなりやがって」
「これぐらいじゃないとレオナさまの侍女なんて到底できませんよ。わたしも着替えてきますので失礼しますね」
言うだけ言って、身を翻して部屋を出る。不満が込められたような唸り声は聞かなかったことにしよう。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
